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医療テック記事 医師 事務長 2024.06.13 公開

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Web問診とは?流れやメリット・デメリットについて紹介

Web問診は、近年多くの医療機関で導入されつつある新しい問診方法です。従来の紙の問診票と比較し、患者さんが自宅や外出先からでも手軽に症状を伝えられたり、スムーズな診療につながったりと利便性が高まっています。とはいえ、Web問診はメリットだけでなくデメリットもいくつか存在するため、選び方には注意が必要です。本記事では、Web問診についての概要やメリット・デメリット、そしてシステムを導入する際の選び方を解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #業務効率化

目次

Web問診とは

Web問診とは?流れやメリット・デメリットについて紹介

Web問診とは、来院前に患者さんがインターネットを通じて問診票に回答し、医療機関に提出することです。Web問診は、自宅のパソコンやスマートフォンから回答する方法だけではなく、医療機関に設置されているタブレットから回答する方法があります。また、医療機関にQRコードを設置し、来院した患者さんのスマートフォンで読み取ってもらい、問診票に回答してもらう方法もあります。

従来の紙問診は、患者さんが医療機関に到着してから問診票に記入する必要があります。記入したのち、スタッフが内容を確認して患者さんに質問をしたり、カルテに記入したりするプロセスも必要です。それぞれのプロセスにかかる時間の目安は、以下の通りです。

  • 患者さんが紙の問診票に記入:2~5分
  • スタッフが問診内容を確認し、患者さんに質問:2~10分
  • スタッフがカルテに問診内容を記入:2~10分

一方、Web問診では患者さんが医療機関に到着する前に自分の症状や病歴を入力でき、システムに反映されます。Web問診と電子カルテを連携していれば、問診内容を自動転記できるため、患者さんが医療機関に到着してから診察までの時間を大幅に削減できるようになります。

特に新型コロナウイルス感染症の流行により、発熱や感染症が疑われる患者さんの事前問診が重要視され、Web問診の導入が進みました。

AI問診とは

医療機関によっては、AI問診を導入しているところもあります。AI問診は、人工知能(AI)を活用した事前問診のことで、患者さんの症状から、より適切な問診を行うシステムです。

AI問診では、タブレット端末やスマートフォンを用いて患者さんが入力した情報に基づき、AIが最適な質問を自動で選びます。従来の紙による問診票のように固定化された内容ではないため、患者さん一人ひとりに適した情報を収集しやすくなります。

患者さんの中には、受付の人に問診票の内容を見られたくない、医師を目の前にすると話しづらいといった人も少なくないでしょう。診察前にAI問診を使って質問に答えておくことで、従来の紙の問診票のように人目を気にしなくて済み、正直に答えやすくなるといったメリットがあります。また、言い忘れや伝え漏れが減り、患者さんと医師の双方にとって、診察を充実させることもできるでしょう。

AIが過去のデータや医学知識を利用した分析を迅速に行うため、医師は診察時に正確な情報が入手しやすくなり、診療効率の向上が期待されます。

Web問診のメリット

Web問診のメリットは、主に以下の3つです。

  • 患者さんの待ち時間を短縮できる
  • 正確な情報の入手
  • スタッフの業務負担を軽減

それぞれ解説します。

患者さんの待ち時間を短縮できる

Web問診では、患者さんの自宅や外出先から事前に問診票を記入でき、従来の紙の問診票のように、医療機関での受付時に問診票を記入する必要がなくなるため、患者さんは待ち時間が大幅に短縮し、満足度向上につながるでしょう。

また、実際に患者さんが来院する前に問診内容を確認できます。そのため、医療機関側にとっても、受付から診療までの業務や診察の効率向上ができ、より多くの患者さんに迅速に対応できるようになるでしょう。

正確な情報の入手

Web問診では、記入漏れや入力ミスを未然に防ぐ機能が備わっているため、より正確な情報を入手しやすくなります。

従来の紙の問診票では、記入時に手書きの文字が読みにくいことがありました。しかし、Web問診ではパソコンやタブレット、スマートフォンなどを使用して文字を入力するため、文字の読み取りにくさなどの問題が解消されます。

多言語に対応しているケースもあり、医師は正確な情報を基に診察を行うことができます。

スタッフの業務負担を軽減

Web問診を活用することで、医療スタッフの業務負担の軽減につながります。

紙の問診票の場合、受付の事務スタッフは患者さんが入力した情報を手動でレセプトや電子カルテなどに入力しなければなりません。Web問診であれば、問診データが自動的に電子カルテに反映されるため、従来の転記作業の時間や労力を削減でき、また転記ミスを防止できます。さらに、情報を一元管理でき、診療の効率化にもつながるでしょう。これによって、より多くの時間を患者さんのケアやその他の業務に充てることが可能になります。

Web問診のデメリット

Web問診のデメリットは、主に以下の2つです。

  • 操作に慣れることが必要
  • 導入やランニングコストがかかる

それぞれ解説します。

操作に慣れることが必要

Web問診の導入には、インターネット環境やスマートフォンやタブレットなどのデバイスが必須となります。特に高齢者や技術に不慣れな患者さんにとって、システムの操作が困難な場合があります。

医療機関側にとっても、デジタルツールが苦手なスタッフがいる場合、操作に慣れるまでに時間がかかったり、データの集計に手間がかかったりする可能性があるでしょう。

導入やランニングコストがかかる

システムの導入には、初期費用と継続的な維持費用などのランニングコストが必要です。初期費用にはシステムの設置、設定、スタッフへの教育などがあり、ランニングコストにはシステムの更新や保守管理費用が含まれます。

また、月額費用のほか、オプション機能の利用やシステムのカスタマイズに追加費用がかかることも珍しくありません。システムによって費用が異なるため、いくつかのシステムを比較することが大切です。

Web問診の流れ

Web問診の流れは、主に以下の通りです。

  • 患者さんが来院前/来院後にWeb問診票に回答
  • スタッフが問診内容を電子カルテやカルテに反映・転記

まずは、患者さんが医療機関の指定するWeb問診システムにアクセスし、問診票をオンラインで回答します。来院後、医療機関に設置してあるタブレットで回答するケースもあるでしょう。

いずれにせよ、Web問診票への回答が完了すると、問診票は自動的に医療機関に送信され、Web問診システムに反映されます。Web問診システムと電子カルテを連携していれば、データを自動的に電子カルテに反映することが可能です。

患者さんが回答した問診票のデータは、リアルタイムで送信されるため、医師は診察前に患者さんの症状を迅速に把握し、適切な治療を提供することができます。

Web問診システムとは

Web問診システムは、患者さんがオンラインで問診票を記入し、医療機関に提出するためのシステムです。このシステムは、患者さんが簡単に利用できるように設計されており、多くのシステムでは、電子カルテとの連携機能を備えています。

Web問診システムは問診票をデータとして管理するため、紙の問診票のような保管スペースが必要ありません。

他にも、一般的な機能として、検索機能や問診内容のカスタマイズ機能を備えています。検索機能で過去の問診票を迅速に確認したり、医師が必要な情報を取得しやすいように質問内容をカスタマイズすることで、効率的な診断をサポートします。

Web問診システムを導入する際の選び方

Web問診システムを導入する際、以下の3つに注意して選ぶ必要があります。

  • 操作しやすいものを選ぶ
  • セキュリティ対策がしっかりしているものを選ぶ
  • 他のシステムと連携できるものを選ぶ

それぞれ解説します。

操作しやすいものを選ぶ

Web問診システムを選ぶ際には、患者さんや医療スタッフが使いやすいかどうかが重要です。直感的で簡単に操作できるものを選ぶことで、患者さんだけでなく、医療スタッフの負担軽減につながるでしょう。

例えば、入力画面のレイアウトがシンプルで分かりやすいものや、必要な情報を簡単に検索できる機能があると、患者さんもスタッフもストレスなく利用できます。また、多言語対応や音声入力機能があると、さらに利便性が向上します。

セキュリティ対策がしっかりしているものを選ぶ

Web問診システムは患者さんの個人情報を扱うため、セキュリティ対策がしっかりとされているシステムを選ぶことが重要です。データの暗号化や、不正アクセス防止のための対策が講じられているかを確認した上で、システムを選びましょう。

例えば、SSL/TLSによる通信の暗号化や、定期的なセキュリティパッチの更新が行われていることが望まれます。また、データのバックアップや復元機能があると、万が一の際にも情報が保護されます。

他のシステムと連携できるものを選ぶ

Web問診システムは、電子カルテシステムや予約管理システムなどと連携できるものを選ぶと、医療機関での業務効率が向上します。システム導入を検討する際は、複数のシステム間でのデータ連携がスムーズに行えるかどうかも確認しましょう。

例えば、問診内容が自動的に電子カルテに反映されると、スタッフによる入力作業が省けます。また、予約システムとの連携により、患者さんの診察予約と問診データが一元管理され、診察の準備が効率的に進められるでしょう。

Web問診と連携可能な電子カルテのご相談は「ウィーメックス」に

ウィーメックス(旧PHC)では、オンプレミス型とクラウド型を融合させたハイブリッド型電子カルテ「Medicom-HRf Hybrid Cloud」を提供しています。

Web問診システムはもちろん、予約や受付、検査など約170社の機器と連携することができ、クリニックに適した運用が実現可能です。院内外でのカルテ閲覧や入力が可能なため、訪問診療や自宅などでも利用できます。

導入時のサポートやアフターサービスなど、対面でのサポートも可能です。将来にわたって持続可能な経営を目指し、電子カルテの導入を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。

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Web問診を活用し、患者満足度の向上を

Web問診を効果的に活用することで、医療サービスの質が上がり、患者満足度の向上にもつながります。

システムの導入によるメリットがある一方で、操作の簡便さや費用対効果、セキュリティ対策、他システムとの連携機能などを考慮する必要があります。Web問診システムを導入する場合はいくつかのシステムと比較検討し、自院に適しているものを選ぶことが大切です。

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