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プレスリリース:歯科用セラミック材料「P-ナノZR」を加工した新たな歯科技工物を発売

2011年10月28日
パナソニック ヘルスケア株式会社

国内の歯科技工所向けに販売 歯科用セラミック材料「P-ナノZR」を加工した新たな歯科技工物を発売

品名 P-ナノZR アバットメント※1 P-ナノZR フレーム※2
参考写真
品番 DZ-M1Aシリーズ DZ-Pシリーズ
発売日 2011年10月28日 2011年11月

パナソニック ヘルスケア株式会社(本社:愛媛県東温市、代表取締役社長:山根健司)は、パナソニックグループが独自開発した歯科用セラミック材料:ナノジルコニア※3(販売名:P-ナノZR)を加工して製作する歯科技工物「P-ナノZR アバットメント※1(1歯まで)」と「P-ナノZR フレーム※2(5~7歯対応)」を国内の歯科技工所向けに販売開始します。

当社は2010年1月より歯科技工物加工事業「C-Pro System®」を運営し、「P-ナノZR フレーム※2」の1歯~4歯連冠を歯科技工所向けに販売しています。
このたび、世界的なインプラント※4メーカーCAMLOG社※5との合意により、インプラント※4症例に対応した「P-ナノZR アバットメント※1(1歯まで)」を新たに発売します。
また、高精度加工機の新たな導入により、従来のシリンダー形状に加えプレート形状のナノジルコニア※3材料の加工が可能になり、これまでの1歯~4歯連冠に加え、5歯~7歯に対応した「P-ナノZR フレーム※2」を発売します。

高齢化の進展に伴い歯科治療のニーズが高まる一方、歯科修復材料として使用される貴金属は価格の上昇傾向が続いています。安定的な歯科材料の供給と、高まる需要に応えるためにも当社はセラミック材料による歯科治療の拡大が急務だと考えています。
当社は、歯科用セラミック材料「P-ナノZR」による歯科技工物加工事業「C-Pro System®」の適応症例をさらに拡大し、歯科医療へのお役立ちを推進します。

※1:アバットメント:下部構造(インプラント体)から軟組織を貫通して口腔内に露出する支台部。
※2:フレーム:義歯の骨格部分。フレームワークと同義。
※3:ナノジルコニア:強い強度特性を有し、生体親和性が高く、自然な色調のジルコニア/アルミナ複合型セラミックス。
※4:インプラント:インプラント体。組織(通常は骨)に埋め込まれるフィクスチャー。
※5:CAMLOG社:CAMLOG Biotechnologies AG。本社はスイス バーゼル。世界的なインプラントメーカー。

お問い合わせ先

パナソニック ヘルスケア株式会社  マーケティング本部
<お客様>営業総括センター 営業第4グループ TEL:0897-56-1210
<報道関係者様>企画グループ 企画チーム TEL:045-939-1201

歯科技工物「P-ナノZR アバットメント」の特長

近年、失った歯に代わる人工歯として、インプラント治療が注目を集めています。それに伴い、当社も多くのお客様からインプラント症例に対応した商品の開発を期待されていました。
当社は、CAMLOG社との合意により、CAMLOG社が製造し、株式会社アルタデント(本社:大阪)が国内製造販売する「チタンベースアバットメントDタイプ(以下、チタンベース)」に対応した「P-ナノZR アバットメント」を新たに開発しました。

1. CAMLOG社インプラントシステムに対応したアバットメント修復が可能

CAMLOG社製チタンベースに接着することで、CAMLOG社インプラントシステムのアバットメントとして使用することができます。CAMLOG社製フィクスチャーを埋入した症例で、審美性と強度を兼ね備えたナノジルコニアよるアバットメント修復が可能です。

2. 前歯修復に有利な最低厚み0.4mmのアバットメントを実現

アバットメントは強度確保の観点からこれまでチタンが用いられる傾向にありましたが、症例によってはチタン色が歯肉に透けて暗い影が見えるという課題がありました。特に前歯部では、細い義歯を製作する必要があるため、強度的に有利なチタンが多用されておりました。本製品は、最低厚みが0.4mmでも強度を確保することが可能なため、これまでチタンでしか修復できなかった症例も、審美性の高い修復が可能になります。

3. CADソフトによる効率的なカスタム設計が可能

本製品は、当社のCAD装置を使用し、効率的に、一人ひとりの患者の歯や歯肉の形態に最も適したオーダーメイド設計(カスタムアバットメント)が可能です。(当社CAD装置と、別売りソフト「アバットメントデザイナー」の購入が必要)。

歯科技工物「P-ナノZR フレーム」の特長

「P-ナノZR フレーム」は、既に1歯から4歯連冠までのフレームとして発売されていましたが、当社 ミリングセンター(所在地:愛媛県西条市)への高精度加工機の新たな導入により、プレート形状のナノジルコニア材料の加工が可能となり、歯科治療におけるより多くの症例に対応するため最大7歯ブリッジの加工に対応しました。

1. フレーム最低厚み0.3mmによる低侵襲オールセラミック修復が可能

従来のオールセラミック修復では、一般的に支台歯を1.0mm~2.0mm削除する必要がありました。本製品は、0.3mm厚の薄いフレームを実現する事で、支台歯の削除量を抑える事が可能です。特に舌側は、最小0.3mmの削減量で支台歯形成を行うことができるため、患者への負担が少ない低侵襲オールセラミック修復が可能です。

支台歯形成の参考図


2. 最大7歯ブリッジの修復が可能

「C-Pro System®」では、従来1歯~4歯連冠までの修復が可能でしたが、実際の臨床では5歯以上のブリッジによる多数歯修復も必要とされていました。この度、プレート形状のナノジルコニアを加工し、最大7歯ブリッジに対応可能となりました。

3. 審美性の高いオールセラミック修復を実現

歯科技工の従来法である陶材焼付鋳造冠による修復は、メタルフレームの色が歯肉に暗い影として浮き上がってしまうため、審美的な障害となる事がありました。ナノジルコニアという白いセラミックをフレーム材として使用する事で、暗い影が発生する事がなくなりました。

以上

プレスリリースの内容は発表時のものです。 商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。