簡易アレルギー検査キット
イムファストチェックJ1/J2
FAQ
操作手順についてのご質問
血液試料
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- 血清でも全血でも測定出来るとのことですが、同じ結果が得られるのですか?
- ほぼ同じ結果となります。全血の方が、血清や血漿と比べてサンプル中の特異的IgE抗体は少ないのですが、ほぼ同等の結果となるよう設計されています。
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- トータルIgEの影響はありますか?
- 通常の濃度では影響はありませんが、トータルIgEが1万IU/mLを超えますと、実際よりも低めの値を示す場合があります。
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- ヘマトクリット値、共存物質等の影響はないのでしょうか。
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- 正常Ht値範囲(30-60%)であれば、ほとんど影響しない事が確認されています。
- ヘモグロビンやビリルビン、脂質等の影響もないことが確認されています。
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- 全血で測定出来るとのことですが、採血管はなんでもいいですか?
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- EDTA或いはヘパリン入り真空採血管をご使用下さい。クエン酸入り採血管をご使用の場合はクエン酸液による希釈の影響が最小限となるよう採血管表示の規定採血量をお守りください。注射器などで採血した場合は、へパリンかEDTAの入った試験管に移しかえ、混和後サンプルとして使用してください。
- 抗凝固剤を用いない採血管から全血をとって測定した場合、凝固物が展開膜に目詰まりしアッセイ不良の原因となることがあり、お奨めできません。その場合コントロールラインが発色しません。
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- 血糖値測定用の針やキャピラリーを用いて採取した全血は使えないでしょうか。
- ヘマトクリット管で採取された全血を測定に使用することは可能です。その際は必ずヘパリン処理されたヘマトクリット管をご使用ください。プレーンのヘマトクリット管採血検体では凝固によりアッセイ不良となり、コントロールラインが発色しない場合があります。使用可能なヘマトクリット管の種類、ヘマトクリット管からの検体の回収法につきましては、資料「微量採血法(PDF)」を参照ください。
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- ミニピペットで採血してよいですか?
- ミニピペットは採血器具ではありませんので、採血に際しては必ず真空採血管またはヘマトクリット管をご使用ください。ミニピペットは、採血した検体より20μLを定量採取するための器具です。
処理検体作製と分注
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- 血液はそのまま反応カセットに滴下できないのですか?
検体を検体処理液と混合する意味は何ですか?
- 血液をそのまま反応カセットには滴下しないで下さい。血液をまず「検体処理液」と混和処理する必要があります。「検体処理液」中に測定上重要な成分が2つ入っています。ひとつは検体中IgEに結合する標識抗体、もうひとつは血球溶解剤です。混和処理しないと測定できません。
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- 検体処理液を2滴とのことですが、大きな泡が入ってしまいましたが…。
- 大きな泡が入っても滴下量はほとんど影響ありません。発色結果にもほとんど影響がないことを確認しています。なお、ノズルの周りに試薬が多量に付着している時はティッシュ等で拭きとってください。
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- 検体処理液が規定回数使用する前に無くなってしまったのですが。検体処理液を滴下する際、小さな泡がブクブク発生し、サンプルカップが泡だらけになりましたが…。
- 検体処理液はボトルを垂直にしたときに規定液量が滴下される設計になっております。ボトルが斜めの状態で滴下すると規定量より多くの試薬が消費され足りなくなることがあります。検体処理液が足りない場合、小さな泡が発生することがあります。
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- 点眼瓶を逆さにするだけで垂れてきますが…。
- 点眼瓶を冷蔵庫から出してすぐは垂れ易いので、逆さにして押さずに滴下されることをお奨めします。検体処理液1滴は約20μLで、検体処理液点眼瓶(10test用)には約700μL入っています。10testの必要量は約400μLです。
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- 検体処理液と展開液を間違えてしまいました…。
- 申し訳ありませんが、正常反応はしません。血液と混合するのは必ず検体処理液(青色)を用いて下さい。
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- 血液と検体処理液(青色)の混合比は?
- ほぼ「1:2」の混合比です。まず付属の検体処理用サンプルカップに検体処理液を2滴滴下し、次いでミニピペット(ピンク:20μL固定)にチップをしっかり差しこんで、全血(もしくは血清・血漿)を分注、混合してください。
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- 血液と検体処理液の混合はどのように行うのですか?
- 検体処理用サンプルカップの中で、血液分注に用いたミニピペットにて10回程度素早くピペッティング攪拌(出し入れの繰返し)をして下さい。混合液が透き通れば、充分攪拌されたと判断できます。泡立て過ぎないようお気を付けください。ボルテックス等の攪拌器であれば1秒の攪拌で充分です。
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- 血液と検体処理液を混合した後はすぐ測定しなくてはなりませんか?
- 検体処理用サンプルカップの中で、血液分注に用いたミニピペットにて10回程度素早くピペッティング攪拌(出し入れの繰返し)をして下さい。混合液が透き通れば、充分攪拌されたと判断できます。泡立て過ぎないようお気を付けください。ボルテックス等の攪拌器であれば1秒の攪拌で充分です。
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- 血液と検体処理液を混合した後はすぐ測定しなくてはなりませんか?
- 血液と検体処理液を混合後、20分程度であれば影響がないことは確認しておりますが、なるべく速やかな測定(1分以内)をお奨めします。
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- 処理検体滴下量は?
- 20μLです。処理検体の混合に用いたミニピペットでそのまま分注して下さい。処理検体はサンプルカップに残りますが、使用せず廃棄してください。再検査する場合は使用できます。処理検体滴下量を多くしても感度が良くなるとは限りません。非特異反応や感度低下の原因となることがありますので規定量を守っていただくようお願いいたします。
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- 反応カセットの滴下口(1)が小さくて検体処理液が滴下しにくいのですが…?
- 窪み中央の小さな穴(直径2mm程度)に直接入れなくても大丈夫です。青色の円で囲まれた窪み(直径5mm)の中に滴下して頂ければ自然に反応カセット内に取りこまれるように設計されています。
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- 処理検体が吸い込まれていかないのですが、どうしたらよいですか?
- 万一そのような場合は反応カセット上面を指で軽くたたいて、判定窓に処理検体が染み出してくることを確認してください。それでも、吸い込まれない場合は、お手数ですが弊社までお問い合わせください。
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- 処理検体が滴下部に少し残っているように見えますが…。
- コントロールラインが、青く出ていれば問題ありません。残っているのは、微量なので測定結果には影響がありません。
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- コントロールラインさえ正常に出ていれば、測定に問題がなかったと言えますか?
- コントロールラインが正常に出ている(測定前:ピンク→測定後:青)ということは、試薬成分である酵素と発色基質の反応が正常に進んだことを示します。試薬の入れ間違い、展開不良があった場合コントロールラインは正常に反応しません。
一方、検体の入れ忘れや不足があった場合、アレルゲンラインの発色は正常ではあり得ませんが、コントロールラインは見かけ上正常に発色しますのでご注意ください。
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- ミニピペットはどうしても必要なのですか?
キットに入っているミニピペット用チップとは何ですか?
ミニピペットはなぜキットに入っていないのですか?
- ミニピペットは、(1)採取検体からのサンプリング→(2)検体と検体処理液の混合→(3)処理検体の反応カセットへのチャージ、の一連のステップに使用します。本検査は半定量試験ですので、(1)のステップで、ある程度の定量サンプリングが必要となります。また、(2)のステップでは、ピペットを使用することによって泡立ちによる検体のロスを回避することができます。20μLに設定可能なピペット(エッペンドルフなど)をお持ちの方は、新たにミニピペット購入の必要はございません。
ミニピペット(本体)は1本で繰り返しのご使用が可能で、ミニピペット用チップ(消耗品)は試薬キットに測定回数分入っております。
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- ピペット分注量が正確であるか不安です。
- ミニピペットは室温に保管して頂ければほぼ正確に20μLを吸引-分注できます。精度が疑われる場合は、キット添付のチップをミニピペットにしっかり差しこんだ上で、血液や水等を吸引してみて下さい。チップの先端から 1.7cm程度吸引されていれば問題ありません。このあたりまで吸引されない場合、ピペットの精度不良が疑われますので弊社までご相談ください。
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- チップを外したらピペットの先端に血液が付いていました。
- 測定に影響はありませんが、安全の為、消毒用エタノールで拭いて下さい。
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- 測定場所はどんな場所でもかまいませんか?
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- 20~37℃の場所でお願いします。
- 展開中は静置してください(動かさないでください)。
- 風の強い場所では、乾いてしまい展開不良となることがありますので、エアコンの噴出し口・扇風機の風が直接あたる場所・開放された窓辺などは避けてください。
展開液の分注
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- 展開液とはなんですか?
- 本製品は酵素免疫測定法(EIA)を原理としたイムノクロマト法ですので、発色基質が必要です。検体処理液滴下後、展開液(茶ビン、透明液)を反応カセットの所定位置(滴下口(2))に滴下することで、発色基質が流れ、同時に処理検体を洗い流す仕組みになっています。
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- 展開液を入れ忘れたのですが…。
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- 展開液を滴下しないとラインは発色しません。
- 検体処理液滴下後、1分以上経ってからの滴下も正常発色しない恐れがあります。添付文書記載の通り、検体処理液滴下後速やか(1分以内)に展開液を所定量(5滴)滴下するようお願いします。
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- 展開液をどれだけ入れたのか分からなくなっていまいました。多めに入れておけば良いですか?
展開液を多く入れ過ぎましたが…?
- 5滴数え損なった場合は、改めて3滴滴下してください。10滴程度入れても測定結果に支障はありませんが、試薬が足りなくなる恐れがあります。
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- 展開液の代わりに検体処理液を入れてしまいました…。
- 申し訳ありませんが、正常反応しません。後から展開液を5滴垂らしても正常反応しない可能性が高いので再検査をお願いします。なお、検体処理液が不足する可能性がありますのでご注意下さい。
判定
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- 反応時間の20分は正確である必要がありますか?
20分時点でクラス0/1だったものが、45分後にはクラス2と判定できる発色バンドが認められました。この場合、どのように判断すればよろしいでしょうか?
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- 時間の経過と共に発色強度が増しますので可能な限り20分時点での判定をお願いいたします。あくまでも目安ですが、30分まででしたら、20分までと同様に判定してください。
- 45分以上経過しますとクラス1(疑陽性)の検体が見かけ上陽性となることがあります。
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- アレルゲンラインがわずかに黄色く見えるのですが。
- 1保存条件によってはアレルゲンラインが若干黄色に見える場合がありますが、判定の際は青色の発色度でご判定頂ければ問題ありません。
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- 判定ラインがギリギリ見える程度に薄い場合の判定は?
- 本製品は20分時点で発色すれば陽性(クラス2以上)と判定できます。目で見える程度にライン発色していれば陽性と判定されます。
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- 判定時、判定部分に縦スジが出ましたが?
- 縦スジのない部分で、水平ラインの発色の有無のみで判定を行ってください。縦スジがひどく、判定できない場合はお手数ですが弊社までお問い合わせください。
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- 判定ラインが一部欠けたり、点々に染まりましたが…。
- 陽性と考えられます。もっとも発色度の強い箇所で判定してください。
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- 使用前の反応カセットのコントロールライン部にピンク色のラインが見当たらないのですが…。
- 大変お手数ですが弊社までお問い合わせください。
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- コントロールラインが発色しませんが?
- コントロールラインが発色しない場合はアッセイ不良です。添付文書記載の方法による操作をお願いいたします。特に測定環境(室温20-37℃、静置)や操作(反応カセット開封前の室温戻し、検体処理液、展開液操作)にご注意下さい。それでもコントロールラインが発色しない場合、お手数ですが弊社までお問い合わせください。
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- 判定窓にケースの影が映って見にくいのですが…。
- 真上から照明等の光をあてて、影ができないようにして判定することをお奨めします。
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- 診察では明らかなアレルギー症状が見られますが、キットの判定は3項目とも陰性でした。このような場合、どのように判断すればよいでしょうか。
- アレルギー疾患の原因アレルゲンはダニ、スギ、ネコ(または卵白、牛乳、小麦)だけではありません。また、特異的IgEが血中に存在しなくてもアレルギー症状を呈することもあります。逆に特異的IgEが存在してもそのアレルゲンが直接病態に関与していない症例もあります。診断に際しては臨床症状や他の検査データの結果から総合的に判断してください。