電子カルテ機器連携の歴史 Medicom with「CR/PACS」
メディコムが実現したCRと電子カルテとの連携
X線情報をデジタルデータに置換することができるCRは、診療の効率化に大きく貢献。より鮮明なX線フィルムの出力、現像待ち時間の短縮、暗室や関連機材の省スペース化とコスト削減などを実現した。また、ロスフィルムや誤ファイルなどミスの未然防止、デジタルデータの二次利用など、その導入メリットは枚挙にいとまがない。そのため、多くのドクターが望んでいた電子カルテとCRとの連携。
その要望にいち早く応え、商品化にこぎつけたのがメディコムだった。
連携スタートは患者属性情報と参照画像データの送受信から
連携以前は、患者さんの基本情報を技師がCR本体に直接登録していた。そこでメディコムは、CR本体にID番号を入力するだけで電子カルテから患者属性情報が送信されるように連携をスタート。手間がかからず誤ファイルも発生しないと高い評価を受けた。
また、X線情報を容量の軽い参照画像データに変換し、自動的に電子カルテへ取り込む連携も開始。ただし、当時はあくまでも参照用で、過去画像との比較や患者説明には活用できたものの、読影には依然としてフィルムの出力が不可欠だった。
フィルムレス運用がはじまり同一患者の情報表示に発展
フィルムでの読影を便宜上、第一世代とするなら、フィルムレス運用になったのが第二世代。第二世代ではCR端末が画像ビューワーとして、ドクターの机上で電子カルテ端末と並んで設置される。しかも高精細画像を実現し、読影も可能となった。そして、連携はクリックひとつで電子カルテ端末に表示している同一患者の情報をCR端末に表示できるまでに発展。しかし当時のCR端末は、エコーや内視鏡の画像を見ることには対応しておらず別途PACSが必要だった。
第三世代ともいえる現在は、CR端末がPACSの機能を担い、エコーも内視鏡もCR端末でファイリングや表示ができるようになった。電子カルテとの連携も、一部機種ではカルテにオーダーした撮影部位の情報をCRに送れるほか、撮影画像を2号紙にサムネイルで自動的に貼りつけたり、それをクリックすればCRのビューワーソフトが起動するまでに進歩。電子カルテ端末とCR端末が 一台になった機種も登場した。
このように、CRやPACSの進化とともに、メディコムの電子カルテは最適な連携の在り方を模索し、進展してきたのである。
CRは「Computed Radiography(コンピュータX線撮影装置)」の略。また、PACSは「Picture Archiving and Communication System(画像ファイリングシステム)」の略で、CRをはじめエコー・内視鏡・CT・MRIなど、複数のモダリティの医療用画像データを電子化してサーバなどに保管・参照できるシステム。