電子カルテ機器連携の歴史 Medicom with「院内検体検査機器」
規定フォーマットでデータ抽出そこから連携がスタート
医療機関の多くは検体検査を外部検査施設に委託している。そして結果報告書とともにMEDIS準拠データで作成されたフロッピーディスクを検査施設に提供してもらい、それを電子カルテに検査データとして取り込んでいる。しかし、院内の検査機器で検査したものはこの手法が使えず、検査結果データを手打ちで入力するしか方法がなかった。
そこで、このような状況を改善する必要があった。
最初に目をつけたのは、院内検体検査機器に接続したパソコンで、MEDIS準拠データをフロッピーディスクに落とし込むこと。そのデータを電子カルテに読み込ませることから連携をスタートさせた。
これにより、院内検査データに基づいたスピーディな折れ線グラフ作成や、多角形のチャートによる表示・比較が実現。以前のような手打ち入力による手間やミスが減るなどのメリットにつながった。
患者属性情報や検査依頼を送り結果データを戻す連携へ発展
規模が大きなクリニック用には、複数台の検体検査機器をひとつにまとめられるシステムが登場。このシステムを介して、レセコンや電子カルテとのオンライン連携が可能となった。レセコン側から患者属性情報を送ることで、オペレーターが氏名・性別・生年月日などを入力しなくて済む一方、その検査結果はMEDIS準拠データで電子カルテに戻せるようになった。また、機種によっては電子カルテ側からも調べてもらいたい項目の指示(オーダ)を検査室に出すことも可能である。
Webを活用することで画面表示も多様化の時代へ
先述の連携の画面表示はすべて、電子カルテのアプリケーションを使用したもの。それと異なり、Webサーバを介して連携するシステムもある。心電図やレントゲンなどのモダリティのひとつとして院内検体検査機器がつながっていて、これまでのMEDIS準拠データでやりとりするような仕組みではなく、ブラウザ(インターネットエクスプローラー)を使っての検査結果表示を行う。
このように院内検体検査機器は、メディコムと連携することで、より正確でスムーズな運用が可能となった。そして、そのシステム連携は、さらなる使いやすさを求めて日進月歩の進化し続けているのである。
人体から採取した血液・尿・便・細胞などを、院内で調べることができる装置。検体検査は、患者から検体を採取するところまでは医療機関でしか施術できないものの、採取後の検体については適切な保存条件(温度や時間)が守られれば医療機関外での検査が可能。しかし、スピーディな即日診断の需要が高まる近年、院内検体検査機器を導入するクリニックが増えている。