1973年、それまで「手まき作業」でしか対応できなかった調剤作業に対して、自動錠剤分包機の登場は、調剤現場における調剤速度と作業効率の向上につながりました。
しかし、自動錠剤分包機のタブレットケース(カセット)は、使用する錠剤の形状や大きさに合わせた専用のものを使う必要があります。昨今のジェネリック医薬品(後発医薬品)の拡大に伴う採用薬の増加により、調剤現場では突発的な処方変更が発生していますが、自動錠剤分包機のタブレットケースの注文に時間がかかり、専用のタブレットケースが届くまでの期間、新たな「手まき作業」が発生することから、現場の作業負担が増え、いわゆる「ヒヤリ・ハット」のリスクも高まるという声をよくお聞きします。
もちろん、自動錠剤分包機メーカーもこの状況の改善に努めており、様々な形状や大きさの錠剤に対応する「ユニバーサルカセット」をオプション化したりしていますが、単価が高く、かつ複数個のセット販売となることから、導入コストが非常に高く、現場採用に至らず、面倒な「手まき作業」を継続しているというお話もよくお聞きします。
事例:A調剤薬局
調剤薬局の牧山さんも、使用する錠剤の種類の増加に伴い、ユニバーサルカセットの採用を検討しましたが、コスト面で本部の承認を得られず、現在は、専用タブレットケースの納品を待ちながら、「手まき作業」で対応しています。
今後も増加しそうな採用薬に対して、「ユニバーサルカセット」より安価とはいえ、納期のかかる専用タブレットケースの追加によるランニングコストの増加と、その納品を待つ間の手間のかかる「手まき作業」は頭の痛い要素です。
調剤ミスを起こす可能性が高まる「手まき作業」を減らしつつ、ランニングコストを減らす方法がないかと考えています。