大規模な病院において、薬剤部が担う役割は大きく、様々な課の医療スタッフと連携と取りながら常に効果的に、安全に医薬品が活用されるよう、調剤業務、患者対応業務を行うことに日々追われています。
PHCに寄せられるユーザーの課題として、今回は注射調剤業務にかかわる業務負荷についてご紹介します。
処方箋の変更による取り揃え済み薬品の返品率は約30%
処方箋の変更による返品薬の取扱いは薬剤部内の大きな課題です。病院内で使用される注射薬は、急性期の入院患者さんの容態変化によって処方が変更されます。注射薬払出システム(アンプルピッカー)がすでに導入されている病院様の事例として、取り揃え済み薬品の返品率は約30%(*)になる場合もあると報告されています。
回避したい医薬品の廃棄ロス。数千万規模の損失につながることも
手作業による返品業務は、薬品の使用期限の確認ミスなどによる廃棄ロスを招きます。返品の多い病院の場合、金額にして年間数百万円~数千万円の損失があると言われています。
病院薬剤師が返品作業に割いている時間は、1日約2時間~
ヒューマンエラーの温床にも
病院薬剤師が、これら返品薬作業に割く1日当たり業務時間は約2時間~(*)とも言われています。また小径アンプルの種別仕分け間違いなど、ヒューマンエラーを引き起こす可能性も多分に秘めています。
対物業務を低減し、病院薬剤師の本来の業務である患者さんとの接点、コミュニケーションに業務時間をもっと充てる。そうすることができれば、患者さん一人ひとりの病院に対する満足度は高まり、現場の薬剤師のやりがいも、もっと大きくできるのではないでしょうか。
(*)PHC調べ