大規模な病院において、薬剤部が担う役割は大きく、様々な課の医療スタッフと連携と取りながら
常に効果的に、安全に医薬品が活用されるよう、調剤業務、患者対応業務を行うことに日々追われています。
PHCに寄せられるユーザーの課題として、今回は薬剤の補充業務におけるお悩みについて紹介します。
2名の薬剤師がチェックする業務を減らしたい・・
ある調剤薬局は錠剤包装機に薬を補充する際に、充填ミスを避けるために「補充する薬が正しいのか」、「補充される機器のカセットは正しいのか」を必ずダブルチェックで対応をしています。
充填を誤ると多くの患者へ誤投薬されるリスクがあり、それを考えるとダブルチェックは当然です。
ただ、日頃の調剤業務以外に患者対応にも追われる中で2名分のリソースを必要とする業務はできるだけ減らしたいのが本音です。
早く、正確に充填作業を実施したい
ただ、視認での確認作業には必ずミスが出ます。ダブルチェックでの確認も完全というわけではありません。
薬品の確認と、薬品ケースの確認、5mmと10mmの違いといった補充する量の確認など、多くの確認ポイントをチェックし記録する、この作業を早く、正確に行うのは容易なことではありません。また、定期的な棚卸の際にも同様に時間を取られます。
薬剤師がこの補充・監査業務に割く時間は年間で300時間以上ともいわれています。
業務への慣れや忙しさから、量を間違えてしまうことも。
また、複数の薬品を並行で補充していると、入れ違いも起きうります。
入荷のの際には、TC※の出し入れが1日中かかる作業となることも。TCを一箇所に並べていて、緊急度の高い案件などが発生すれば、人の目で戻すことで、つい隣の別の棚に入れてしまうということはありえるのです。誤処方にもつながる安全性を脅かすミスとなります。
対物業務を低減し、病院薬剤師の本来の業務である患者さんとの接点、コミュニケーションに業務時間をもっと充てる。そうすることができれば、患者さん一人ひとりの病院に対する満足度は高まり、現場の薬剤師のやりがいも、もっと大きくできるのではないでしょうか。
※TCはタブレットケースの略称です。