PHCbi

CASE STUDIES 導入事例

一般社団法人 千葉保健共同企画 すこやか薬局 (千葉)

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患者様の希望と時代に即した薬局づくり 一端を担う PHCbi 製品

千葉県の大病院の近くで、ユニークな店舗展開をする薬局チェーン「千葉保健共同企画」がある。同社が運営する11の薬局の1つが、今回訪れた「すこやか薬局」である。

到着してすぐ目についたのは隣に、「すこやか薬局2号店」を構えていること。複雑な処方やワンドーズパック(一回量包装)を希望する患者様は「すこやか薬局」、軽い処方で速い調剤を求める患者様は「すこやか薬局2号店」と、患者様のニーズに合わせて店舗の使い分けを勧めているという。
ワンドーズの割合が高い「すこやか薬局」では、1993年からPHCbi(当時は三洋)の自動錠剤包装機を導入。 2020年12月には新たな機器2台をリプレイスした。約30年間にわたり、PHCbiの自動錠剤包装機を使い続けている理由や、PHCbiに期待することを、同薬局長の宮原香苗さんに伺った。

ATC-256GS1は安全に薬を一包化できる錠剤分包機

▲ATC-256GS1は安全に薬を一包化できる錠剤分包機

全社で学び成長する 11の薬局で情報共有に力を入れる

「千葉保健共同企画」のスタッフは全社で100人強。そのうち、薬剤師は70人という。特長的なのは11の薬局で常に情報共有を行っていることだ。毎月、開かれる薬局長会や理事会のほか、全社横断の部会をつくり、新薬評価、副作用のモニタリングなどに力を入れる。入社3年目までの初期研修も11薬局で一緒に行うそうだ。
薬局単位でなく全社で学び、成長しようという積極的な姿勢が見られる。

また、「11の薬局は、最初に生まれた共同薬局を除いて、すべて平仮名の名称が付けられているんですよ」と宮原薬局長は言う。優しさや親しみやすさを大切にしたい、という会社の想いが込められているようだ。

スタッフイメージ

コロナ禍で変わりつつある薬局のニーズ 増える長期処方、 ワンドーズの需要

すこやか薬局には21人の薬剤師が所属し、1カ月あたり約3500枚の処方箋に基づいて調剤を行っている。複雑で長期の処方が多いのが特長だ。
「コロナ禍がそれに輪をかけている」と宮原薬局長は言う。「医療機関になるべく足を運びたくない方が増えたことで、これまで以上に処方の長期化が目立ちます。30日だった方が60日に。70日、90日という方もいらっしゃいますね」

もう一つ、コロナ禍に伴う変化は、ワンドーズの希望が急増したことだ。「外出ができなくなり、運動不足になることで、高齢の患者様の認知が加速したのでしょうか。今までワンドーズでなかった方が『薬の管理が難しくなったので、ワンドーズにしてください』とおっしゃるようになりました」

また、すこやか薬局では発足時の1991年から薬剤師の在宅訪問を行ってきた。「在宅患者訪問薬剤管理指導料が点数化される前から、地域貢献を目的として実施しています」と話す。

現在は毎月延べ100軒の個人宅、1軒の施設を訪問している。ベテランスタッフ3人、新人スタッフ3人の6人が訪問担当。

「個人宅の患者様の場合、医師が往診し、処方箋が出て、そのあと私共の薬剤師が伺うケースが多い。高齢の方がほとんどなので、ワンドーズの薬を使用する率が高いですね」

PHCbiの自動錠剤包装機

PHCbiの自動錠剤包装機 約30年間使い続ける理由

そんなすこやか薬局の体制を支えているのがPHCbiの自動錠剤包装機である。調剤室の壁面にATC-256 GS1が2台並んでいる。一見すると機械というより、おしゃれなロッカーという感じだ。
「内部に収蔵されているタブレットが外側から見えないところがいい。デッドスペースの少ないコンパクトなデザインも気に入っています」

すこやか薬局とPHCbiの関わりは長い。1993年に1号機を導入し、2005年に追加でもう1台。その後2度のリプレイスを経て、約30年間に渡り、PHCbiの自動錠剤包装機を使い続けている理由とはなんだろう。
宮原薬局長に伺ったところ、「コストパフォーマンスと使い勝手ですね」と即答。

実は、2020年のリプレイスの際、3社の機器を比較検討したという。
「PHCbiのATC-256GS1には最大256個のタブレットケース(以下TC)を収納できます。他社で、同じ数のTCを収められる機器は1.5倍の価格でした。TCの数を少なくすれば、もっと安価で購入できましたが、すこやか薬局で扱う薬の品目はとにかく多い。バラ錠をたくさん作り、たくさんのTCに入れるという方法が便利なのです」
コストパフォーマンスが良いため、予算内で同じ機器を2台導入することができた利点は大きい。ワンドーズの作業は時間がかかる。2台あれば、業務の効率はアップするし、万が一、1台故障してももう1台で作業を続けることができる。

さらに、使い勝手という点ではこう話す。「すこやか薬局は自動錠剤包装機の使用頻度が非常に高い。9時に開店し、17時くらいまでずっと稼働しています。ときには19時~20時まで動かす日もある。新しい機械を導入する際、一番不安なのは操作方法に戸惑い、現場に混乱をきたすこと。時折使う機械なら、時間をかけて慣れていくという選択肢もあります。でも、毎日の業務に必要不可欠な自動錠剤包装機は、スタッフ全員が使い慣れたPHCbiの製品を使い続けることが得策と考えました」
機械自体の操作だけでなく、それに付属するソフトの使い方を、教育しやすかった点も大きかったようだ。

安心安全を支える薬剤補充監査機能、 スマート TC

新型のATC-256GS1を使用してみての感想を伺った。

まず、「処理スピードの速さに驚きました。以前の機械に比べ、2/3の時間でワンセットができあがります」。スピードアップは直接、お客様サービスの向上へとつながる大切な要素だ。

2つ目は安心感が向上したこと。それにはスマートTC棚と薬剤補充監査機能が貢献している。
スマートTC棚は、ケース本体にセットされたチップに、薬品名や薬品番号などの情報を記録できるのが特長。どの場所にスマートTCを挿しても、アプリケーションとスマート棚が自動認識して調剤するため、挿し間違いによる処方ミスを避けられる。
「今は基本的にあいうえお順に薬を並べています。今後、例えば『お』の薬が一つ増えて全体をずらしてなどという作業をするとき、力を発揮してくれると思います」

安心安全を支える薬剤補充監査機能

薬剤補充監査機能は、薬剤とTCをバーコードリーダーで照合することで、確実な補充ができるシステムだ。「以前は間違いがないよう、ダブル監査をしていました。この機能のお陰で1人でも安心して補充できるのはありがたいですね」
また、すこやか薬局では、OCC(オンサイトキャリブレーションタブレットケース)も採用している。これは様々な薬剤の幅や厚みに合わせて、調剤現場で簡単に調整できるマルチ型TCだ。従来、新しいTCが納品されるまでの間に行っていた手まき作業の手間と調剤ミスの発生リスクを低減することができる。加えて、薬剤の種類に合わせて多種類のTCを購入する必要がないため、ランニングコストの削減にも貢献する。

マルチ型タブレットケース「OCC」

▲あらゆる錠剤に対応できるマルチ型タブレットケース「OCC」

「他社も似たような製品を出していますが、機能が多くて複雑過ぎる。OCCのように、微調整ができるだけというシンプルさがちょうどいいと思います」

一方で、ATC-256GS1を1年間使い続け、出てきた要望もあるという。宮原薬局長は、「紙替えやカセットなどのセットの仕方を間違えたとき、命令を発しても、機械が動かないようにしてほしい」と話す。間違えている箇所を表示する電子サインがあれば、すぐに直すことができるのでさらにありがたいそうだ。
「今は、間違ってセットしても動いてしまうので、時折、分包紙の拠れなどが出てしまうことがある。それが積み重なると、故障の原因にもなりかねない。コストパフォーマンスはいいし、操作性や安全性も優れている。この点さえ、改善されればいうことはありませんね」

処方箋の向こうに命がある 命を支える ATC-256GS1

薬局を決めるのは患者様自身だ。病院が「〇〇薬局へ行ってください」という指示を出すことはない。
患者様のニーズにこたえられているかによって、「選ばれる薬局」が明らかになる。

「どんなに複雑で長期の処方でも任せてもらえるのが『すこやか薬局』。ワンドーズパックのご希望も気持ちよく承ります。そして、患者様ご本人のことだけでなく、ご家族や家庭環境を理解したうえで、服薬指導をしていくのが当薬局の方針です」と宮原薬局長は力を込める。
その上で、スピードもおろそかにはしない。待合室での待ち時間は1分でも短くするのが患者様への配慮だ。

なによりも調剤薬局は緊張感のある仕事場だ。それは、薬という人の健康に直接かかわるものを扱っているため。宮原薬局長が常日頃からスタッフたちに伝えている言葉は「処方箋の向こうに命がある」。多くの薬剤師を育てる中で、彼らにはその向こうを見ながら、業務をしてほしいと願っている。

薬局長にとってはPHCbiの自動錠剤包装機も、「便利なだけの機械ではない。命を支えるツール」とのこと。丁寧さとスピードを思いと機器の活用で形にしていく。

一般社団法人 千葉保健共同企画 すこやか薬局

納入先

一般社団法人 千葉保健共同企画 すこやか薬局
所在地 船橋市二和東5-1-6

納入機器

・自動錠剤包装機 ATC-256GS1×2台
・薬剤補充監査システム AIC-TKCK

掲載内容は2022年2月現在のものです。