全自動血液凝固検査システム STACIA CN10

PICK UP 試薬

概要

凝固時間試薬コアグジェネシスRシリーズ誕生

ワルファリン投与患者検体における既存試薬とのPT-INR相関性*1)

ワルファリン投与患者における適正用量のモニタリングにはPT-INRが有用とされています。
PT-INRによる治療推奨範囲は病態により異なりますが、PT-INRが2.0~3.0となるようにコントロールされる場合が多いとされています1)2)

ワルファリン投与患者検体における既存試薬とのPT-INR相関性*1)

ワルファリン投与患者検体(n=71)をコアグジェネシス PTと既存PT試薬a(ISI≒1.0)を用いて測定し、PT-INR値の相関性を確認しました3)

コアグジェネシス PT試薬はISI=約1.0の試薬であり、既存PT試薬aとの相関性は良好、PT-INR値もほぼ一致しました。

ヘパリン投与患者検体における既存試薬とのAPTT相関性*2)

ヘパリン投与患者における出血リスクのモニタリングにはAPTTが使用されます。
APTT試薬は試薬間差があることが知られており、お使いの試薬の特性を理解することが必要です。今回、ヘパリン投与中の患者検体(n=41)を測定し、既存の2試薬との相関性を確認しました4)5)

コアグジェネシス APTT試薬は、既存APTT試薬aおよびbとの比較では、各試薬間で若干のばらつきや傾向がみられました。
ヘパリン感受性は各試薬によって異なりますので、お使いの試薬の特性を理解してご使用ください。

フィブリノゲン濃度と抗凝固治療患者検体*2)

一般的にクラウス法を測定原理とするフィブリノゲン測定検査は、トロンビン活性を抑制する薬剤の影響を受ける可能性があります6)
ダビガトラン投与患者(n=34)を含む種々の抗凝固療法中の患者検体および出血性疾患患者検体(n=392)をコアグジェネシス Fbgと既存Fbg試薬bで測定し、相関性を確認しました7)

フィブリノゲン濃度と抗凝固治療患者検体

抗凝固治療患者検体において、広く用いられている既存Fbg試薬bとのFbg低濃度域を含めた相関性は良好でした。

PTおよびAPTTの抗凝固薬に対する感受性*2)

PT及びAPTT試薬は抗凝固療法における出血リスクの管理に用いられます。
DOAC(Direct Oral anticoagulants)においては投与量を調節するモニタリングは不要とされていますが、血栓または出血リスクを確認する何らかの検査が必要との議論もされています。以下に未分画および低分子へパリン、アルガトロバン、エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバンを血漿検体に添加した実験の結果を、ダビガトランはダビガトラン含有血漿注)を混合して測定した結果を示します。

未分画ヘパリン
低分子ヘパリン
アルガトロバン
ダビガトラン
エドキサバン
リバーロキサバン
アビキサバン

コアグジェネシス PT及びコアグジェネシス APTT試薬にて、各抗凝固薬による凝固時間延長の程度を示しました。
DOACの感受性は、ダビガトラン:APTT、エドキサバン:PT、リバーロキサバン:PTが感受性が高く、アピキサバン:PT、APTTともに感受性が低いという傾向でした。この結果は一般的に報告されている感受性の程度とほぼ一致します8)

参考:各抗凝固薬の血中最高濃度
(引用:各抗凝固薬 添付文書)

一般名 最高血中濃度
未分画ヘパリン 0.8IU/mL
低分子ヘパリン 0.5IU/mL
アルガトロバン 0.08μg/mL
ダビガトラン注) 0.169μg/mL
エドキサバン 0.219μg/mL
リバーロキサバン 0.342μg/mL
アピキサバン 0.176μg/mL

注)ダビガトランキャリブレーター(アイ・エル・ジャパン株式会社)

凝固因子欠損に対する感受性*3)

外因系凝固機序を反映するPT、内因系凝固機序を反映するAPTTで各凝固因子の欠損に対する影響は異なります。
因子欠乏血漿を正常秒数範囲の血漿検体と混合することで、凝固因子活性とコアグジェネシス PT及びコアグジェネシス APTT試薬の凝固時間延長の関係を確認しました。

コアグジェネシス PTはⅦ因子およびⅩ因子の欠損、活性低下によって有意に延長しました。
コアグジェネシス PTはⅦ因子およびⅩ因子の欠損、活性低下によって有意に延長しました。
凝固因子濃度1%における測定値はⅦ因子:44.8秒、Ⅹ因子:76.9秒でした。
コアグジェネシス APTTはⅧ因子およびⅨ因子の欠損、活性低下で有意に延長しました。
コアグジェネシス APTTはⅧ因子およびIX因子の欠損、活性低下で有意に延長しました。
凝固因子濃度1%における測定値はⅧ因子:84.3秒、IX因子:64.4秒でした。

LA陽性、凝固異常症、Ⅷ因子インヒビター陽性患者検体におけるAPTT*2)

APTTは、ループスアンチコアグラント(LA)や凝固異常症、または後天性血友病(インヒビター)でも延長することが知られています。
健常人検体15例とLA陽性検体45例、凝固異常症検体53例、Ⅷ因子インヒビター陽性検体33例の検体をコアグジェネシス APTT試薬で測定し、健常人群と比較しました。

LA陽性、凝固異常症、Ⅷ因子インヒビター陽性患者検体におけるAPTT*2)

コアグジェネシス APTT試薬で測定した結果、各検体群において、健常人群と比較し有意にAPTTは延長しました。
凝固異常症:血友病A(n=26)、血友病B(n=13)、von Willebrand 病(n=9)など

*1)日本臨床検査自動化学会第50回大会 大阪医科大学附属病院 中央検査部 発表資料より改変
*2)第19回日本検査血液学会学術集会 徳島大学 臨床検査技術部門 発表資料より改変
*3)社内データ
1).肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)
2).循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂版)
3).日本臨床検査自動化学会会誌 36; 1 (2011) 45-53
4).Clin. Lab. Haem. 1998, 20, 307-313
5).医学検査 55; 8 (2006) 940-944
6).臨床病理 64; 7 (2016) 765-770
7).日本臨床検査自動化学会会誌 27; 4 (2002) 576 8).Chest. 2017 Jan;151(1):127-138

製品概要

使用目的

コアグジェネシス PT:血漿のプロトロンビン時間(PT)の測定
コアグジェネシス APTT:血漿の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定
コアグジェネシス Fbg:血漿中のフィブリノゲンの測定

商品
コード
製品番号 製品名 包装 対応機種
761812 RM76-181GK コアグジェネシス PT PT試薬:10.0mL×5 STACIA CN10
761911 RM76-191GK コアグジェネシス APTT (1)APTT試薬:5.0mL×5
(2)塩化カルシウム溶液:5.0mL×5
762017 RM76-201GK コアグジェネシス Fbg (1)検体希釈液:9.0mL×5
(2)Fbg試薬:5.0mL×5
751813 RM75-181GK コアグジェネシス PT PT試薬:10.0mL×5 STACIA/STACIA CN10*
751912 RM75-191GK コアグジェネシス APTT (1)APTT試薬:5.0mL×5
(2)塩化カルシウム溶液:5.0mL×5

752018

RM75-201GK コアグジェネシス Fbg (1)検体希釈液:9.0mL×5
(2)Fbg試薬:5.0mL×5
751820 RM78S-182GS コアグジェネシス キャリブレーター** (1)希釈液:2.0mL×3
(2)キャリブレーター:1.0mL用×3
STACIA/STACIA CN10
760815 RM600-81 コアグジェネシス コントロール1** 1.0mL用×10
760822 RM600-82 コアグジェネシス コントロール2** 1.0mL用×10

*アダプター装着によりSTACIA® CN10に搭載可能です。
**ロットによって表示値が異なる場合があります。

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