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この記事は、株式会社フェアワーク”健康経営のすすめ”より許可を得て転載しています
企業の生産性を測る指標の1つに”アブセンティーズム”というものがあります。耳慣れない言葉かもしれませんが、アブセンティーズムとは「病欠や病気休業」を指し、生産性向上や健康経営に取り組む企業からの注目が高まっている指標です。
アブセンティーズムとは?測定方法を紹介
アブセンティーズムとは?
企業の生産性を測る方法はいくつかありますが、従業員の方のパフォーマンスに焦点を当てた生産性評価の指標として「アブセンティーズム」と「プレゼンティーズム」があります。
アブセンティーズム:病欠、病気休業の状態
プレゼンティーズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、何らかの体調不良があるまま働いている状態
一般的には「病欠による生産性損失(アブセンティーズム)」の方が目につきやすく分かりやすいですが、実は「健康の問題を抱えつつも仕事を行っていることによる生産性損失(プレゼンティーズム)」もとても重要な視点です。
東京大学の調査によると、生産性損失の研究が先行している米国では「プレゼンティーズムがアブセンティーズムや医療費コストを大きく上回っている」ことが分かっています。
(出典)東京大学政策ビジョン研究センター/「健康経営」の枠組みに基づいた健康課題の可視化及び全体最適化に関する研究
生産性向上のためには、自社のアブセンティーズムやプレゼンティーズムを測定することで、従業員がどれだけのパフォーマンスで仕事に取組めているのかを把握し具体的な改善策を実施していくことが大切です。
アブセンティーズムの測定方法
経済産業省が公表している「健康投資管理会計ガイドライン」では、アブセンティーズムの代表的な測定方法として3つの方法が推奨されています。
①従業員へのアンケート調査、②欠勤・休職日数、③疾病休業者数・日数
3つの測定方法の中で最もアブセンティーズムを正確に計測できるのは①従業員へのアンケート調査です。何らかの理由でアンケート調査が難しい場合は企業が保有する人事データから②③を把握・利用することになりますが、企業は休暇取得の理由を正確に取得できていないケースが多く、アブセンティーズムが過小評価される可能性があります。
(出典)経済産業省/企業の「健康経営ガイドブック」
アブセンティーズムと労働生産性損失の関係
アブセンティーズムの測定結果を用いることで企業の労働生産性損失額を算出することができます。計算式は以下の通りです。
労働生産性損失額(円)= アブセンティーズム(日数)× 賃金(円)
経済産業省の調査では、日本企業におけるアブセンティーズムの平均日数は2.6日とされていますので、平均的な企業では2.6日×人件費分の生産性損失が生じていることになります。
また自社のアブセンティーズムを把握することで、健康投資が生産性向上の観点でどの程度の効果があったのかを”金銭的に”評価することも可能となります。
まとめ
今回は生産性を測る指標としてアブセンティーズムをご紹介しました。生産性向上や健康経営に取り組んでいる企業は多いと思いますが、実際に自社の取組の効果や従業員の方のパフォーマンスを把握できている企業は多くありません。