ニュース12月26日(水)
米国・糖尿病技術学会において、アセンシアの血糖自己測定システム用アプリケーション
「CONTOUR® DIABETES」が糖尿病患者の低血糖及び高血糖の発生リスクを低減しうると発表
PHCホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小谷 秀仁)の100%子会社であるアセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社(本社:スイス、バーゼル、以下「アセンシア」)は、このたび、第28回米国・糖尿病技術学会において、同社が海外市場向けに販売する血糖自己測定システム用アプリケーション「CONTOUR® DIABETES」を使用することで、糖尿患者さんの低血糖及び高血糖の発生リスクが低減しうることを示した初めての臨床研究結果を発表しましたのでお知らせいたします。
本研究成果は、11月8日に米国メリーランド州ベセスダで開催された糖尿病技術学会において、筆頭執筆者であるアセンシアのグローバルメディカルアフェアーズ部門長 アンドレアス・スチュアー医学博士によって発表されました(*1)。これは、「CONTOUR® DIABETES」の使用による低血糖及び高血糖の発生頻度への影響について、調査したものです。並行して、本アプリケーション使用による糖尿病患者さんの血糖値測定回数の変化についても、調査しました。
研究結果として、本アプリケーションを180日以上使用することで、50mg/dl以下の低血糖及び250mg/dl以上の高血糖が1回以上発生する可能性が減少することが判明しました(低血糖の場合:オッズ比2.47、高血糖の場合:オッズ比1.56)。低血糖の値を70mg/dl以下、高血糖の値を180mg/dl以上と定義した場合においても、同様の結果が得られました。また、糖尿病患者さんの血糖値測定回数は、使用開始後30日までは1日平均2回でしたが、180日経過後は1日平均4.5回に増加しました。
この研究結果では、「CONTOUR® DIABETES」が血糖値の改善に寄与する可能性があると示唆されています。さらには、本アプリケーションの使用によって糖尿病患者さんの血糖値測定回数が増加しており、糖尿病の自己管理が向上したことを示しています。
本アプリケーションは、アセンシアが海外市場向けに販売する血糖自己測定システム「CONTOUR® NEXT ONE」用に開発されたもので、測定した血糖値はBluetooth®を通じて本アプリケーションへ送信されます。「CONTOUR® DIABETES」は受信した測定値を分析してその傾向を特定し、健康のための行動変化をもたらす「情報-動機づけ-行動スキル(Information-Motivation-Behavioral Skills)」モデルに基づき、糖尿病の自己管理の方法について患者さん一人ひとりにアドバイスします。
本研究は、「CONTOUR® DIABETES」アプリを180日以上使用している北米の糖尿病患者さん5,870人の匿名データに基づいて行われました。本研究対象期間中に少なくとも1回は低血糖または高血糖を経験したことがある患者さんを対象とし、低血糖と高血糖の程度が異なる2つのグループに分類しました。1つ目は、血糖値が70mg/dl以下の低血糖、もしくは180mg/dl以上の高血糖が1回以上発生したグループで、その数は1,253人でした。2つ目は、血糖値が50mg/dl以下の低血糖、または250mg/dl以上の高血糖が1回以上発生したより重症なグループで、その数は654人でした。
本研究では、各グループにおいて、1回以上の低血糖および高血糖の発生について、「CONTOUR® DIABETES」の使用後30日が経過するまでの期間と、使用後180日が経過した後においてオッズ比をそれぞれ計算しました。そして、本アプリケーション使用による低血糖及び高血糖への影響を判断するために、使用開始後30日が経過するまでの期間におけるオッズ比と、180日が経過した後でのオッズ比を比較しました。さらに、糖尿病患者さんの血糖値測定回数も両期間で比較を行いました。
アセンシアのチーフメディカルオフィサーであるサビナ・ファーバー博士は次のように述べています。「糖尿病管理の重要な目的のひとつは、糖尿病患者さんの健康に重大な影響を及ぼす低血糖及び高血糖の発症回数を減らすことです。このたびの研究結果から、当社の『CONTOUR® DIABETES』が、糖尿病患者さんの低血糖や高血糖の発症率を減少させ、糖尿病が生活に与える影響を抑えることができる可能性が示されました。当社は『CONTOUR® DIABETES』の機能向上を継続して行っており、糖尿病患者さんの自己管理をサポートする機能やツールのさらなる充実を図ります。」
(注)AscensiaおよびContourは、アセンシア ダイアベティケアの商標または登録商標です。Bluetoothの商標およびロゴはBluetooth SIG, Incの登録商標で、本リリースではライセンスに基づき使用しています。
(*1) Stuhr, A./Pardo, S., Impact of Real-world Use of the CONTOUR®DIABETES App on Glycemic Control and Testing Frequency. 第28回米国・糖尿病技術学会(米国メリーランド州、2018年)においてポスタープレゼンテーションを実施。
PHCホールディングス株式会社について
PHCホールディングス株式会社は、2014年に設立し、傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社などを持つグローバルヘルスケア企業です。健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し豊かな社会づくりに貢献することを経営理念とし、医療機器、ヘルスケアIT、ライフサイエンスの3事業において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2017年度のグループ連結売上高は1,926億円、世界125カ国以上のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。2018年4月にパナソニック ヘルスケアホールディングス株式会社より社名変更しました。
URL: www.phchd.com/jp/
アセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社について
アセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社は、糖尿病患者を支援する、糖尿病ケアのグローバル企業です。糖尿病患者のQOLを改善することをミッションとし、糖尿病の専門的知識とイノベーションを通じて、糖尿病患者がより豊かな生活を送るためのソリューションとツールを提供しています。同社は、2016年、パナソニック ヘルスケアホールディングス株式会社がBayer社より糖尿病ケア事業を買収したことにより誕生し、その製品は125カ国以上で販売されています。現在、従業員数は約1,700名、31カ国で事業活動を行っています。
URL: www.ascensia.com
血糖自己測定システム「CONTOUR® NEXT ONE」について
「CONTOUR® NEXT ONE」はBluetooth®を介してシームレスにスマートモバイル機器に接続できる、使いやすいワイヤレス対応の血糖自己測定システムです。「smartLIGHT」テクノロジーで即座にフィードバックを返し、アプリケーション「CONTOUR® DIABETES」が血糖自己測定システムから受信した患者の血糖値の測定結果を収集するとともに保存、分析を行います。「CONTOUR® DIABETES」は、これらの結果や他のデータを含めた患者さんの状態に関する詳細な情報を提供することで、患者さんが血糖値に対する日常生活の影響について理解を深めることに貢献します。また、このアプリケーションを使用することで、患者さんの血糖値測定結果は医療従事者に共有され、診察時に必要な情報に基づいた問診が可能となります。尚、本システムおよびアプリケーションは海外市場でのみ、販売されています。
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