ニュース6月18日(火)
アセンシアが開発中の血糖管理ソリューションが
2型糖尿病患者のHbA1Cの数値を有意に減少させた旨のパイロット研究を発表
PHCホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:マイケル・クロス)の100%子会社で、糖尿病ケア事業のグローバルリーダーであるアセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社(本社:スイス、バーゼル、以下「アセンシア」)は、このたび、第79回米国糖尿病学会(ADA2019)において、同社が開発中の血糖管理ソリューション(以下、「IDMS」)が、使用された期間において、2型糖尿病患者さんのHbA1Cの数値を有意に減少させたとする臨床研究の結果を発表いたしました。これは、本ソリューションが糖尿病患者さんのセルフケアおよび血糖管理を改善する可能性を示唆するものです。
本研究では、糖尿病治療薬の変更に拠らず、IDMSの使用と2型糖尿病患者さんのHbA1Cの数値の有意な減少に関連性があることが分かりました。これは、本ソリューションが患者さんのセルフケアとより適切な血糖管理につながり得ることを示しています。主要評価項目であるHbA1Cの平均値は、IDMSを使い始めた当初の8.44%から、12週間後の8.01%へと、0.43%有意に減少しました。このデータは、IDMSの使用が臨床的に有意義な結果をもたらすことを初めて示すもので、2型糖尿病の管理における本ソリューションの有用性の可能性について示唆するものです。この研究内容は、サンフランシスコで開催された米国糖尿病学会2019(ADA2019)において、6月9日(日)に、Rainier Clinical Research Center(米国ワシントン州レントン)のLeslie J Klaff医学博士によってポスター発表されました(*1)。
アセンシアが開発する本ソリューションは、糖尿病を患う成人の患者さんが病状をより効果的に管理するための、追加的なサポートを提供するために開発されました。これは、糖尿病療養指導士(CDE)による遠隔での行動改善のためのコーチングとモバイルアプリの併用により、2型糖尿病患者さんをサポートするものです。CDEは患者さん自身のデータを用いて、患者さんごとに個別化したコーチングの方針を作成し、患者さんそれぞれの自己管理を支援する実用的な情報を提供します。
本ソリューションにより、CDEは患者さんに対してコーチングの方針に基づいた課題を提案します。これは、患者さんが指示内容である行動変容を実現するとともに、自己管理を改善するためのサポートを含んでいます。糖尿病管理に対する包括的なアプローチとして、CDEから患者さんに電話をかけ、その後も患者さんのモニタリングを行うことで、患者さんが血糖値管理、食事内容、活動レベル、ストレス、睡眠を改善できるよう支援します。
筆頭執筆者であるLeslie Klaff医学博士は、次のように説明しています。「本研究は、2型糖尿病管理におけるIDMSの有用性と可能性を示した初めての研究です。人による指導とアプリの組み合わせによる相互作用は、糖尿病管理ソリューションにおける画期的な進展です。本研究では、IDMSを使用することにより、患者さんがCDEとともに、効果的なライフスタイルの改善方法を決定することができました。この決定に基づいて、患者さんはいかにアプリを有効活用するかを決め、継続してCDEによるコーチングを受けました。」
Klaff医学博士は続けて、こう述べています。「今回の研究が示唆するものは、これら2つの要素が、糖尿病患者さんの些細ではあるものの影響度の大きいライフスタイルを調整させることで、行動と血糖管理の改善を支援するための効果的なツールとなっていることです。このようなテクノロジーに主眼を置いたアプローチを取ることにより、実質的に臨床的なメリットが得られる可能性があります。このデジタルツールの効果についてより深い理解を得るために、今後、より長期間での研究が必要です。」
本臨床研究は12週間にわたる一群のみのパイロット研究として、企画されたものです。臨床研究に参加した患者さんは58名、いずれもそれまでは血糖管理が適切に実施できていなかった患者さんでした。定期的な血糖値測定にはアセンシアが販売するワイヤレス対応の血糖値測定システム「CONTOUR®NEXT ONE*2」が使用されました。アセンシアにてIDMのグローバルヘッドを務めるRuss Newsomeは次のように述べています。「糖尿病患者さんの間では、2型糖尿病の自己管理をサポートするための新しいデジタルソリューションに対する要望が高まっています。このたびの臨床研究の結果について、私たちは大変興味深く感じており、今後も本ソリューションの効果を検証するためのさらなる研究を実施していきます。当社は、本ソリューションがいかに糖尿病の管理をサポートし、生活の質の改善に貢献するかについて、より良い理解を得るために、これからもデジタル領域における画期的な研究に携わっていきたいと考えています。」
アセンシアが開発中のIDMSは、現時点では、米国における臨床研究に限定して使用されています。
(*1)Klaff, L., Maier, T., Richardson, J. and Pardo, S.「2型糖尿病患者における糖尿病管理ソリューションの有用性評価のためのパイロット研究」。米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された2019年第79回米国糖尿病学会にてポスター発表。
(*2)Bluetooth®を介してスマートモバイル機器に接続できる、ワイヤレス対応の血糖値測定システム。本システムおよびアプリケーションは海外市場でのみ、販売。
(注)AscensiaおよびContourは、アセンシア ダイアベティスケアの商標または登録商標です。
Bluetoothの商標およびロゴはBluetooth SIG, Incの登録商標で、本リリースではライセンスに基づき使用しています。
PHCホールディングス株式会社について
PHCホールディングス株式会社は、2014年に設立し、傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社などを持つグローバルヘルスケア企業です。健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し豊かな社会づくりに貢献することを経営理念とし、糖尿病ケア、診断、ライフサイエンス、ヘルスケアITの事業分野において、開発、製造、販売、サービスを行っています。その製品・サービスは、世界125カ国以上のお客様にお使いいただいています。
URL: www.phchd.com/jp/
アセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社について
アセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社は、糖尿病患者を支援する、糖尿病ケアのグローバル企業です。糖尿病患者のQOLを改善することをミッションとし、糖尿病の専門的知識とイノベーションを通じて、糖尿病患者がより豊かな生活を送るためのソリューションとツールを提供しています。同社は、2016年、パナソニック ヘルスケアホールディングス株式会社(現 PHCホールディングス株式会社)がBayer社より糖尿病ケア事業を買収したことにより誕生し、その製品は125カ国以上で販売されています。現在、従業員数は約1,700名、31カ国で事業活動を行っています。
URL: www.ascensia.com
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