ニュース6月23日(水)
PHCグループ 2021年度~2024年度の中期経営計画
「Value Creation Plan」策定についてのお知らせ
PHCホールディングス株式会社 (本社: 東京都港区) は、このたび、PHCグループの2021年度~2024年度の中期経営計画「Value Creation Plan」を策定しましたので、お知らせいたします。
PHCグループは、2014年にパナソニックグループから独立して以降、「たゆみない努力で健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献する」という経営理念を掲げ、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション及び診断・ライフサイエンスの3つのドメイン(事業領域)で事業を行っています。糖尿病マネジメントドメインでは、BGM(*1)を中心とした血糖値測定システムなどの体外診断用機器を、診断・ライフサイエンスドメインでは、超低温フリーザーなどの研究・医療支援機器や病理用機器を開発・製造し、グローバルに販売しております。また、ヘルスケアソリューションドメインでは主に日本国内において医科医事コンピューターなどのヘルスケアIT製品の開発・販売及び臨床検査サービスを提供しています。
この度、「グローバルの診断・ライフサイエンス、日本のヘルスケアサービスにおいて、ベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなる」というPHCグループのビジョンの実現に向けて、「Value Creation Plan」を策定しました。PHCグループ独自のビジネスオペレーティングシステムの実践を通じて、グローバルに展開する事業基盤をさらに強化し収益性の向上を図るとともに、今後成長が見込まれる新しい分野へ投資することにより、世界中の患者様や医療従事者の皆様に、よりよい製品・サービスをお届けしてまいります。
1.PHCグループが置かれている事業環境の展望
PHCグループの各事業は、それぞれ長期的に力強い成長傾向を有する事業環境下にあると認識しており、グループ全体で対象とする推定市場規模は2.5兆円(*2)を超えています。
・糖尿病マネジメントドメインにおけるBGM市場は、先進国においては構造的な価格圧力やCGM(*3)の台頭による競争環境の激化に晒されていますが、新興国においては未だ継続的な成長が見込まれています。
・ヘルスケアソリューションドメインにおける、日本国内の臨床検査市場及びヘルスケアIT市場の規模は、2019年時点でそれぞれ約5,000億円、約900億円と推計しており、高齢化社会の進展による検査数の増加や電子カルテ普及率の向上を背景として、2024年にかけて市場は1桁台前半の年平均成長率で堅調な成長を見込んでいます。
・診断・ライフサイエンスドメインにおける病理用機器及び研究・医療支援機器の各市場は、がん診断に対する需要の増加やライフサイエンス研究費の増大を背景に、1桁台半ば(*4)の年平均成長率の成長を見込んでいます。
(*1)Blood Glucose Monitoringの略であり、採取した血液中の糖の値を検査する血糖値測定システムを指します。
(*2)各ドメインの対象市場を合算した2019年の市場規模(ただし、日本のヘルスケアIT市場については2017年に見積もった2019年の市場規模の予測値、糖尿病マネジメントについては2020年の市場規模)に
基づきます。
(*3)Continuous Glucose Monitoringの略であり、装着したセンサにより皮下組織の間質液中の糖濃度から血糖値を連続的に測定するシステムを指します。
(*4)病理事業の市場については 2018年~2024年、ライフサイエンス事業の市場については2019年~2024年における見込みです。
2.中期経営戦略の要点
■糖尿病マネジメントドメイン
先進国でのシェアの維持・拡大を図りつつ、新興国での成長に注力することで、先進国市場の縮小による影響を低減させてまいります。また、成長が見込まれるCGMをポートフォリオに加えることで、糖尿病診断分野における包括的な選択肢の提供による成長を図ります。
■ヘルスケアソリューションドメイン
・LSIM事業
臨床検査事業をはじめとする既存のビジネスモデルや製品を強化・拡大する一方、遺伝子検査や遺伝子解析をはじめとする先端技術の開発を推進することで、新たな成長機会の創出を図ります。
・メディコム事業
新規顧客基盤の開拓により既存の強固な事業基盤を堅持する一方で、新たな事業基盤を拡大しデジタルヘルス事業への転換を図ります。
■診断・ライフサイエンスドメイン
・バイオメディカ事業
ライフサイエンス事業を強化し、コールドチェーンや細胞培養等の新しい治療法に対応した高成長分野への転換を図ります。
・病理事業
中核となる病理事業の成長を維持しつつ、免疫組織化学(IHC)やAI、デジタルパソロジー、分子診断等の分野に対する投資を推進することで、個別化医療におけるポジションの確立を図ります。
3.利益率向上に向けた施策
以下の施策により、利益水準の改善を短期的に進めていきます。
・無駄のない、効率的な体制の構築やバリューエンジニアリング、調達の最適化によるオペレーションの効率化
・直販化や上市戦略の改善、BGM販売体制の見直しによる最適化
・製造・間接機能拠点の合理化と事業ポートフォリオをまたがったグローバルサプライチェーンの活用
・ベストプラクティス及びプロセスの組織横断的な共有とPHCビジネスオペレーディングシステムの浸透による、オペレーション精度の更なる改善
4.PHCビジネスオペレーティングシステム(BOS)
PHCグループでは、PHCビジネスオペレーティングシステムを導入しています。これによって短期的に価値を創造し、長期的な成長機会への投資を行うことで、事業ポートフォリオを継続的に進化させ、下記の3つを通じて更なる成長を目指します。
・当社の高い品質力に裏打ちされた、グローバルな販売網とパートナーシップを擁するプラットフォーム
・日本の精細な文化が根差す卓越した生産技術と、グローバルに豊富な経験を有する経営陣
・強固なキャッシュフロー創出力と適切な資本配分
5.中期経営目標
売上収益の年平均成長率 |
1桁台半ばの前半(2021~2024年度) |
調整後EBITDA(*5)の年平均成長率 |
1桁台半ば(2021~2024年度) |
調整後EBITDAマージン(*6)の向上 |
160~200 bpsの向上(~2024年度) |
レバレッジの改善 |
純レバレッジ比率(*7)3倍未満(~2024年度) |
フリーキャッシュフロー(*8) |
当期利益の100%超(*9)(2021~2024年度平均) |
(*5)EBITDAを非現金項目及び一過性の項目で調整しています。
(*6)調整後EBITDAを売上高で除して算出しています。
(*7)純レバレッジ比率は、(期末有利子負債残高 - 期末現預金残高) / 調整後EBITDAにより算出しています。
(*8)フリーキャッシュフローは、営業キャッシュフローから設備投資を控除して算出しています。
(*9)重大な一過性の損益が発生した際には、その影響を考慮し、調整後当期利益を用いる場合があります。
PHCホールディングス株式会社について
PHCホールディングス株式会社は、傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社、エプレディア、株式会社LSIメディエンスなどを持つグローバルヘルスケア企業です。健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念とし、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2020年度のグループ連結売上高は3,060億円、世界125カ国以上のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。
URL: www.phchd.com/jp
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