ニュース4月26日(金)
メディフォード株式会社とC2N Diagnostics社がアルツハイマー型認知症の研究における血液検査に関する協働についての基本合意を締結
PHCホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区)傘下のメディフォード株式会社(本社:東京都板橋区、代表取締役社長:清水 啓、以下「メディフォード」)と、C2N Diagnostics社(本社:米国ミズーリ州セントルイス、CEO:Joel Braunstein、以下「C2N」)は、この度、基本合意書を締結し、C2NのPrecivityTM血液検査のマーケティングおよび検査受託を日本国内にて開始することを、お知らせ致します。この合意により、メディフォードが窓口となって対象検体の搬送ならびに検査結果報告等のサービスを提供します。これにより、日本におけるアルツハイマー型認知症などの神経変性疾患の研究分野で、C2NのPrecivityTM血液検査技術の活用を検討する研究者や製薬会社の皆さんに対し、臨床検査の質とスピードの向上を通じて貢献します。
現在、アルツハイマー病の診断補助として、髄液採取やアミロイドPETスキャンが多く使われています。C2Nの技術は血液検体で測定が可能であるため、検体採取や測定時における患者さまの負担が軽減されます。この技術により、複数のバイオマーカーを高精度で測定後スコア化して評価し、的確な診断を支援します。
メディフォードは、国内外の製薬会社および各種研究機関に対して30年以上にわたって、医薬品の研究開発における非臨床および臨床段階でのサービスを提供しています。医薬品の臨床開発段階では、薬物分析やバイオマーカー測定に関する高度な特殊分析技術を有するだけでなく、信頼性の高い分析を提供可能にするセントラルラボサービスの提供を通じて、医薬品の研究開発および臨床研究を支援しています。
C2Nは、脳神経系疾患の分野で卓越した測定技術と豊富な解析データを有します。C2NのPrecivityTM血液検査は、アルツハイマー病の特徴的病変である脳内アミロイド蓄積を数種のバイオマーカーを組み合わせて評価する技術です。このようなバイオマーカー測定サービスおよび製品は、患者ケアを改善するための臨床的意思決定を支援し、神経変性疾患の新規治療法の開発の質と効率の最大化、医療研究者の疾病メカニズムの理解、治療ターゲットの特定等を実現するための革新的ツールとして活用されています。
高齢化が進む日本では認知症高齢者の数が増加しており、その半数以上はアルツハイマー型の認知症だと言われています。65歳以上の認知症高齢者数は、2025年には約675万人(*1)と約5人に1人が認知症になると予測されています。メディフォードはこれまで蓄積してきた多様な治療法に対応する高度な分析技術と全国の医療機関で実施される臨床研究をサポートしてきた実績を活用し、認知症の早期発見、発症・進行の経緯、治療の効果等の研究を支援するために、C2NのPrecivityTM血液検査技術を活用した検査受託を開始します。両社による提携関係の強化を通じて、この分野の研究が加速し、疾患に対する新しい知見とより深い理解が得られることにより、認知症の早期診断とより質の高い医療の提供を支援します。
メディフォードの代表取締役社長の清水 啓は、次のように述べています。
「メディフォードは、これまで国内での共同研究を通じて認知症バイオマーカーの開発を行っています。C2NのPrecivityTM血液検査技術は、日本の認知症関連の研究開発に大いに役立つユニークなツールの一つになるものと期待しています。PrecivityTM血液検査は、アルツハイマー病の脳病理所見の一つである脳内アミロイド蓄積の存在に関連することが知られている血液中の特定のタンパク質の測定と解析をする技術であり、高感度の質量分析ベースの分析方法を使用しています。C2Nの技術は、アルツハイマー病およびそれに関連する神経変性疾患の新規診断薬の商品化に応用されており、治療法決定の支援と患者さまの生活の質を改善していることが世界で高く評価されています。」
C2NのCEOであるJoel Braunsteinは、次のように述べています。
「日本ではアルツハイマー病の研究が数多く行われており、優れた臨床医、科学者、革新的な医薬品開発者がこの分野の多くの重要な発見に貢献しています。メディフォードは、先進的な治療法を含め、医薬品研究開発の各段階をサポートする臨床および非臨床解析の提供において卓越した企業として知られています。今回の新たな提携は、臨床試験研究者や医薬品開発者がアルツハイマー病とそのほかの認知症を対象とした最新のソリューションや製品をより良く評価できるようにする、高品質の診断ツールへのグローバルなアクセスを提供するという我々のコミットメントの一環です。」
(*1)「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(厚労省、平成26年)
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2014/141031/201405037A/201405037A0001.pdf
<メディフォード株式会社について>
メディフォード株式会社は、グローバルヘルスケア企業として事業を展開するPHCホールディングス株式会社(証券コード6523東証プライム)の日本における事業子会社です。2023年11月よりPHCホールディングスの傘下で、創薬支援を基盤とした事業を新体制で開始しました。メディフォードは、創薬の探索フェーズを含む基礎研究から臨床試験まで、一連のサービスを展開します。多様化する新規治療法(モダリティ)における⾮臨床・臨床両分野の分析技術の提供を通じて、先端科学領域における製薬企業やベンチャー・アカデミアとの連携により、国内外の製薬企業・分析ラボラトリーに向けたサービスを強化しています。
URL: www.mediford.com
<C2N Diagnostics社について>
C2N Diagnostics社は、Clarity Through InnovationTMを実現することをビジョンとする診断分野に特化する企業で、脳神経系疾患の分野において、卓越した検査サービスと製品を提供することを目指しています。C2Nの高分解能質量分析技術をベースにしたバイオマーカー測定および製品は、患者ケアを改善するための診断や治療のモニタリングや、神経変性疾患の新規治療法の臨床試験の質と効率の最大化、医療研究者が新規疾病メカニズムの理解を深め、新規治療ターゲットを特定し、世界の公衆衛生を改善する重要な疫学研究を行うための革新的ツールの提供などに使用されています。C2Nの測定技術は、米国および世界中で150以上のアルツハイマー病およびその他の研究に使用されています。これには、アルツハイマー病研究の経緯を変える可能性がある疾患修飾薬(DMT)などの画期的な治療および予防試験が含まれます。C2Nは、グローバル製薬会社やバイオテクノロジー企業、主要研究機関、国立老化研究所、アルツハイマー病協会、その他の非営利団体やコンソーシアムと継続的な共同研究を行っています。査読付き論文の中で15,000件以上のPrecivity™関連バイオマーカーの測定が報告されており、現在さらに多くの論文が審査中です。
C2Nは、国立老化研究所(NIA)、GHR財団、アルツハイマー創薬財団(ADDF)、BrightFocus財団、アルツハイマー協会からの多大なる支援に感謝します。
URL: www.C2N.com
<PHCホールディングス株式会社について>
PHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)は、健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念とするグローバルヘルスケア企業です。傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス、エプレディアホールディングス、株式会社LSIメディエンス、ウィーメックス株式会社、メディフォード株式会社などを持ち、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2022年度の連結売上収益は3,564億円、世界125以上の国と地域のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。PHCグループはPHCホールディングス株式会社とその事業子会社の総称です。
URL: www.phchd.com/jp