目 次
薬局業務の流れがスムーズになり、服薬情報も一元的・継続的な把握が可能に
古くから長崎街道の宿場町として栄えた佐賀県嬉野市塩田町。この地に大正元年、キタ薬舗を開業したのが北平五郎氏です。2代目の北定次氏がキタ薬局として継承し、1992年に3代目の北健一朗先生が「有限会社キタファーマシー」を設立。同県内に西牟田調剤薬局(鹿島市高津原)、キタ薬局中町店(嬉野市塩田町)も開局しました。健一朗先生のお子様3人も薬剤師となり、現在、長男の雄一朗先生(以下、雄一朗先生と表記)と次男の泰輔先生(以下、泰輔先生と表記)が本店のキタ薬局で勤務しています。
キタ薬局に処方箋を持参するのは、近隣の内科医院が約4割、その他は広域の約60の医療機関を受診した患者さんです。処方箋応需数は1ヵ月約800枚、備蓄医薬品目数は約1400、後発医薬品の調剤率は65~70%だそうです。
「患者さんの多くが顔なじみの方々です。ご家族の健康を気にして相談に来られる方も多く、古くから塩田町で薬局を続けているメリットを感じています。医療用と一般用の両方の医薬品に精通した薬剤師・薬局としての強みをさらに強化してセルフメディケーションを推進し、医療機関への受診勧奨も含め、地域の方々の健康に貢献したいと考えています」と雄一朗先生は話します。
一方、薬剤師・薬局の“かかりつけ機能”を高めるために欠かせないのが“情報収集とその活用”だと強調します。「調剤監査や服薬指導においては、常に最新の添付文書情報などを把握している必要があります。また、服薬情報の一元的・継続的な把握においても効率的かつ見落としがないようにしたい。これらを満たすために電子薬歴システムの導入が必要だと考え、『PharnesIII-MX』を導入。薬局業務の流れが効率化され、患者さんに対する確認漏れの心配も解消。服薬指導に集中できます」と雄一朗先生は導入による効果に手応えを感じています。
1人の患者さん情報を誰もが同時に確認・修正 薬局業務の効率化に大きく寄与
「PharnesIII-MX」導入のメリット
患者情報を同時に確認・修正/迅速なサポートで検査データ項目の並び順をカスタマイズ
■タイムリーな情報更新、便利な処方比較
雄一朗先生が電子薬歴システムの選択に当たって特に留意したのは、オンラインでの情報更新が迅速に行われるかどうかでした。「その点、『PharnesIII-MX』のネットワークサービスでは、法令改正時などの機能アップソフトや各種データベースをインターネット経由でタイムリーに更新できます。新しい情報が把握しにくいという不安がなくなりました」(雄一朗先生)
システム構成及び設置場所は、以下の通りです。サーバー本体を受付カウンターに設置し、事務員が処方箋の内容を入力。オプションの2次元コード入力ソフトを利用し、医療機関が発行する2次元コード付き処方箋の内容をハンディスキャナーで取り込んで頭書情報・処方内容を自動転記します。ハイブリッド対応タブレットPCを調剤室に設置し、患者の薬歴を迅速に確認。スリムタワー型のPCは投薬カウンターに置き、薬歴を入力。他に、薬袋を印字するプリンターと薬剤情報提供文書/領収書/医療費明細書を印字するプリンターを各1台設置しています。「一連の薬局業務がシームレスに行われ、1人の患者さんの情報を誰もが同時に確認・修正できるので、業務の効率化に大きく寄与しています」
機能面では、過去薬歴が簡単に確認できる点を評価しています。薬歴表紙+監査情報+DSU(医薬品安全対策情報)と今回薬歴、過去2回分の薬歴が1画面で表示。処方比較では、今回処方と過去4回分の処方が1画面で表示され、「処方内容の変更がスピーディーに確認できます」(雄一朗先生)
■検査データのグラフ化、豊富なデータベース
「PharnesIII-MX」を販売する代理店のサポート体制も高く評価しています。「佐賀県南西部医療圏で地域中核病院の役割を担う国立病院機構嬉野医療センターがHb(ヘモグロビン量)、PT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)、クレアチニン(腎機能)、HbA1c(グリコヘモグロビン)などの検査データを開示しているのですが、その検査項目の並び順が初期設定と違っていたのです。そこで、代理店に相談すると、担当者が素早くカスタマイズしてくれました。これらの各検査データの経時的変化をグラフにできる点も役立っています」(泰輔先生)
医薬品に関するデータベースでは、特に一般名データベース、添付文書PDFデータベース、OTC添付文書PDFデータベース、くすりのしおりデータベースを活用しているそうです。今後は、患者が待ち時間なしで薬を受け取れるスマート薬局機能も付いた電子版お薬手帳「ヘルスケア手帳サービス」(オプション)も活用したいとしています。
電子薬歴システムを活用し、よりいっそう服薬指導に注力
大正時代から「地域密着の薬局」として住民に信頼されているキタ薬局(佐賀県嬉野市塩田町)では、メディコムの保険薬局用電子薬歴システム「PharnesIII-MX」を導入しています。薬局業務が効率化され、よりいっそう服薬指導に注力できるようになったことに加え、運用のサポート体制についても高く評価しています。
地域密着型保険薬局の果たすべき役割
地域貢献には薬局外の活動も重要視し地域のつながりを強める活動をしていきたい
2015年10月に厚生労働省が発表した「患者のための薬局ビジョン」では、かかりつけ機能とともに健康サポート機能、高度薬学管理機能を薬局に求めています。高度薬学管理機能に関しては、佐賀県薬剤師会が2015年11月から始めた、薬局に勤務する薬剤師の臨床研修制度に泰輔先生が参加。佐賀大学医学部附属病院で2ヵ月間、抗がん剤の調製や病棟業務などを幅広く経験されたそうです。
また、薬局外の活動も重要との観点から、雄一朗先生は学校薬剤師を務め、地域の医療・保健・福祉・介護のトータルな支援を行う「鹿島・藤津地域リハネットワーク研究会」の世話人および企画部の一員となり、県薬支部の鹿島・藤津薬剤師会の専務として在宅・医療安全を担当。「地域のつながりを強める活動をしていきたい」と雄一朗先生は考えています。
キタ薬局
職員:薬剤師3名、事務員5名(うち非常勤3名)
佐賀県嬉野市塩田町大字馬場下甲1845
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