目 次
地域と深く関わり“つなぎ手”となる薬局へ
埼玉県川口市のJR東川口駅から徒歩10分ほどの静かな住宅地の中にある厚川薬局。薬局から見わたせる範囲に医療機関が一つもない、完全な面分業のスタイルです。しかし開局から6年で、すでに地域から愛される薬局として定着しています。その秘訣は、代表を務める薬剤師の厚川俊明先生が中心となって取り組む積極的な地域活動にありました。
薬局に隣接する自邸の一部をコミュニティスペースとして活用し、定期的にイベントを開催。病気や介護に関する講座や子ども薬剤師体験、検体測定室を活用した測定会をはじめ、自宅でエステ教室を開いている人がハンドマッサージ教室を行ったり、珈琲愛好会を作ってコーヒー好きが集まったりと、バラエティに富んだ内容になっています。
特徴的なのが、これらのカルチャー教室などを地域住民が主体で行っていること。運営や講師も全て住民が担当し、薬局はそのための環境を整える拠点として、いわばコーディネーターとして取り組みをサポートしています。厚川先生は「主役はあくまで患者さんや地域住民の方々であり、薬局は彼らが心身の健康や社会参加にアクセスするための“つなぎ手”です」と説明。『楽しみながら参加していたらいつのまにか健康になっていた』と地域の人たちが思えるようなコミュニティを構築すべく、縁の下から薬局の職能を発揮しています。
地域に根付いた取り組みで存在感を高める厚川薬局ですが、開局当初からそうした形態を目指していたわけではありませんでした。
「周囲に医療機関が無い立地なので、最初は在宅を中心にした経営モデルを想定していました。そのため、調剤スペースを広くしたり、無菌室を設置したりと、在宅業務を見越した設備を充実させました」と厚川先生。しかし、経営を続ける中で、地域との交流や様々な人との出会いなどから多くの気づきやヒントを得たと振り返ります。「最初は“薬剤師”や“医療人”という立場で考えていましたが、それではこれまでと同じような発想しか生まれません。一歩下がって、一生活者の立場で考えることで、その地域にとって本当に必要なことが見えてくるのだと思います」。目線を変えることで、次第に現在のような“超地域密着型薬局”の輪郭が見えてきたと話します。
「自分の住んでいる地域がどんなことをやっているか、実は意外と知らないものです。そこで町会に参加したり、民生委員になったりと、積極的に地域の中に入り込んでいきました」。そうした行動を通じて、地域の中で様々な活動が行われていることを知り、それが新しいつながりやコミュニティづくりに役立っていると説明します。
このつながりは薬局経営にも反映される形になりました。厚川薬局の立地する地域の約2000世帯・5000人の住人のうち、いまでは500人が顧客となり薬局を利用する状況がうまれています。
薬歴本来の意味は生活背景を知ること
厚川先生は「地域に根ざした取り組みを行っていく上で欠かせないのが、薬局が患者さんについてしっかりと理解すること」だと説明しており、レセコン一体型電子薬歴システム『PharnesV-MX』が、その実現のための重要な役割を担っているといいます。
「各社の電子薬歴の中には、選択項目の中から患者さんに合ったものにチェックを入れることで効率よく薬歴を作成できるものもありますが、薬歴の本来の目的は、生活背景を含めて患者さんのことを把握し、その情報をしっかりと落とし込むことです。例えば、薬が飲めていない患者さんがいたとして、単に飲み忘れてしまっているだけか、実は何か不幸な出来事があって生きる気力を失い薬を飲まなくなったのか、その原因は様々です。その背景まで丁寧に探っていくことが、本当の意味で患者さんを知るということです」と説明。その点において、PharnesV-MXは効率化だけでなく、自由にカスタマイズできたり、必要な情報の入力がしやすかったりと、自身の考えに合った活用ができると評価します。
そして、充実したアフターフォローも様々なメーカーの中からメディコムを選んだ理由の一つだといいます。「これまで勤務していた時代に他のメーカーの電子薬歴を使ってきましたが、メディコムはレセプトに関することも含めていろいろな質問や相談に迅速に対応していただけて、アフターフォローの面で非常に優位性が高いと感じました。当薬局は専任の事務員がいないため、レセプト請求も全て薬剤師が行っています。小さな薬局にとってフォロー体制が充実している点は、とても心強い」と、厚川先生はメリットを強調。事務員の代わりに栄養士を入れるといった選択肢の幅も広がるなど、価値は大きいと話します。
面分業スタイルという若手薬局経営者の未来を後押しする挑戦
特定の医療機関に頼らず、完全な面分業を行うスタイルは、処方箋集中率を低くすることを求める国の方針もあり、多くの薬局が模索しているところですが、やはり収益の安定性を考えると不安な要素は確かにあります。実際、厚川先生も開局時は不安感を少なからずもっていたといいます。しかし、「いざ一歩を踏み出し、薬局の外に出て地域としっかり向き合うと、必要とされていることを実感できました」と不安が手応えに変わったといいます。
厚川薬局の経営スタイルは徐々に知られることとなり、特に若手の薬局経営者から注目を集めるようになりました。
「将来を見据えた際、可能性としてヘルスチェックと健康管理アドバイス、ワクチン接種なども薬局の仕事になる時代が到来したとき、面分業のスタイルはさらに強みを発揮するはずです。これからの時代を担う薬剤師は是非地域との関わりを大切にしてほしい。それぞれの地域で課題は異なると思いますが、深く入り込むことで解決の糸口はきっと見つかるはずです」と、変化に前向きな薬局・薬剤師の背中を押す厚川先生。ここでの取り組みがヒントの種となり、全国各地で花を咲かせる日がくることを期待せずにはいられません。
厚川薬局
住所:埼玉県川口市東川口6-19-41
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