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診療報酬・調剤報酬 医師 事務長 2020.08.05 公開

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診療報酬改定とクリニック(2)~町の主治医・かかりつけ医として~

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策 #レセプトの悩み #機器選定ポイント

診療報酬改定とクリニック(2)~町のかかりつけ医として~

医療の質を高めるために病院ごとの役割を分担

診療報酬改定については「開業医はとくにその動向に注視すべき」と以前にお伝えしました。2020年度の改定の内容には、これからのクリニックのあり方を示唆する部分が見受けられます。近い将来、開業を志す先生方にとって無視できない医療政策の大きな流れですので、今回と次回の2回にわたってポイントを解説していきます。

まず大病院と中小病院・診療所の外来医療の機能分化を図るために、2016年度の改定で盛り込まれた、紹介状なしで受診した患者から定額負担を徴収する医療機関の範囲について、従来は「特定機能病院および許可病床400床以上の地域医療支援病院」でしたが、このうち地域医療支援病院については「一般病床200床以上」に拡大されました。この改定により、クリニックの役割、かかりつけ医の役割は今まで以上に重要になってきます。

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かかりつけ医機能強化のために医学管理料・加算が複数新設

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この、紹介状なしで受診した患者から定額負担を徴収する医療機関の範囲の拡大にともない、2020年度の改定では、かかりつけ医機能のさらなる強化が重要なポイントの1つとなっています。

その中で特徴的なものとして、クリニックにかかわる医学管理料・加算が複数新設されたほか、電話等再診時における診療情報提供料の変更が挙げられます。電話等による再診の際に、治療上の必要性から、休日または夜間において該当する救急医療機関の受診を指示した上で同日に診療情報の提供を行った場合には、診療情報提供料Ⅰ(250点)の算定が可能になりました。

また小児料外来診療料では、算定対象患者の年齢が3歳未満から6歳未満に拡大。これにより小児科かかりつけ医としての役割がより重要になってきたと言えるでしょう。

このほかにも、外来栄養食事指導料2(初回250点、2回目以降190点)が新設されました。患者の高齢化にともない栄養管理の重要性が増していることに対応したもので、クリニックの指示のもと、他の保険医機関または栄養ケア・ステーションの管理栄養士が栄養指導を行った場合に加算されます。

“真のかかりつけ医”を目指して

こうした改定が行われる背景には、先に定額負担でお伝えした大病院と中小病院・診療所の外来医療の機能分化があります。大病院は専門性・重症度の高い患者を中心に受け持ち、中小病院やクリニックが一般的な患者を受け持つようにと、改定によって誘導しているのです。軽症の外来患者が大病院に押し寄せてしまっては重症患者の診療を阻害しかねませんし、そこに勤める医師たちの負担も重くなるばかりです。大病院での治療を必要としている患者を優先的に大病院へ導くために、クリニックをはじめとする“町のかかりつけ医”に地域医療の窓口としての活躍がより期待されています。

ただし、医療機関の機能分化を図りたいという医療政策の都合は、一人ひとりの患者には関係ありません。不調を感じ始めた人の身になれば「大きな病気かもしれないから最初から大病院で診てもらいたい」と不安がる気持ちも理解できます。そうした不調を感じ始めた人が、「まずは先生に相談しよう」と考えてもらえるような、いかなる時も頼れる医師となる必要があるのです。

「これまでにどんな病気にかかってきたか、今どんな薬を服薬中かを知ってくれている」「日常の健康管理や体調変化も相談できる」から先生に診てもらおう。そんなふうに患者が思ってくれるような“真のかかりつけ医”を目指すことが大切です。改定の内容で一喜一憂することもありますが、常に患者の満足度を上げるため何ができるか考え、“真のかかりつけ医”を目指していきましょう。

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