目 次
患者に寄り添う皮膚のかかりつけ医を目指す
「信頼される地域の『皮膚のかかりつけ医』をめざします。」という診療方針を掲げ、2020年12月1日に開院したはやし皮フ科クリニック。院長の林めぐみ先生は、大阪市内の病院などで皮膚科医として勤務した後、予防医学への関心から産業医や健診医を経て、生まれ育った地元である兵庫県の日生中央駅前に開業しました。
「皮膚病は比較的短期に治癒する疾患もあれば、アトピー性皮膚炎のように寛解と増悪を繰り返す疾患も多くあります。また慢性的な心理的ストレスになったり、ストレスが疾患を悪化させたりします。少しでも患者さんの立場にたって、気持ち的にも寄り添った診療ができればと開院しました」。開業の動機をこう言います。
開業時は新型コロナウイルス感染症の第3派のピークに近づきつつある中でしたが、受診控えの影響を受けることなく1日最多で約140人の患者が受診したと言います。「近隣に皮膚科クリニックがないこともありますが、(乾癬やアトピーなど適用の)エキシマライトによる光線治療も行っているため、要望する患者さんも多く訪れています」とし、患者の口コミが患者増加につながっています。
開業コンサルタントの1日の患者推計を超えるほどの受診者数でしたが、「私のキャパシティを超え、診療パフォーマンスが落ちる危険があったので、2022年1月からは完全予約制にして1日100人に抑えるようにしています」。
患者に寄り添いながら、可能な治療法・施術法を提示していこうという林先生にとって、診療の効率化を図る上で電子カルテシステムの運用は欠かせないことでした。そこで採用されたのが、Medicom-HRシリーズです。
カルテ入力のカスタマイズ性とサポート力を評価
勤務医時代から各社のさまざまな電子カルテシステムを使用してきたという林先生。開業する際は電子カルテを導入しようと決めていたそうです。紙カルテの運用は保管スペースの確保が難しい上、自身の診療業務はもちろん、スタッフの業務も含め、クリニック運営の効率化には欠かせないと考えていたからです。
電子カルテシステムの選定にあたっては、「勤務医時代に使ったことのある電子カルテシステムにはよいイメージがなかったため、それらは除外しました」とし、開業コンサルティングを担当した販売代理店が候補に挙げた2社のデモンストレーションで検討。メディコムの電子カルテシステムに決定しました。
「デモの際に自分で操作してみて、入力フォームやテンプレートを希望通りにカスタマイズして使用できる点に魅力を感じました」と林先生。
一般的に外来患者が多いとされる皮膚科。診療時間を節約するところはカルテの記載時間だと言う林先生は、多くの患者と向き合いながら効率的に診療する上で、疾患別や検査、処方薬などごとに自在にテンプレート化できる機能はカルテ入力を簡便化できると期待したのです。
メディコムの電子カルテシステムを採用したもう1つの理由は、サポートが手厚いことだと強調しました。インターネット経由で遠隔サポートする「リモートメンテナンス」やサポート電話によって、操作の問い合わせやトラブル解決に素早く対応するという販売代理店の説明が決め手でもあったといいます。
「システムのトラブルが生じたとき、一番困るのは迅速に解決して復旧できないこと。電話すればすぐに対応してくれ、担当者がリモート操作で解決してくれるのは非常に助かります」とし、販売代理店のサポート力を高く評価しました。
導入時においても機器設定や開業前のスタッフへの操作トレーニングなども適切なサポートにより、支障なく運用開始することができたと言います。
柔軟な入力テンプレートでカルテ記載を効率化
カスタマイズ性により、使いやすく入力を効率化できると評価した「メディコムシート」は、処方薬や処置・施術、物品など、保険診療と自費診療の両方で多用しています。例えば、処方薬では特に各種の配合軟膏などを事前に薬品名と配合量のシートを作成し、いちいち薬品名や配合量を入力することなくスピーディーな入力を可能にしています。処置では、いぼ等冷凍凝固法は3箇所の場合と4箇所の場合などに分けてシート化している他、皮膚レーザー照射も照射範囲別にシート化するなど、手間をかけずに入力・指示できるよう工夫しています。
「シート作成は仕様を販売代理店の担当者に伝え、事前に作成してもらった他、追加したい際もリモート操作で作成してもらい便利に使っています。実際のカルテ記載はシュライバーの代理入力ですが、多くの患者さんと向き合いながら効率的に診療するため、できるだけ入力作業を簡便化し、負担軽減したいと考えていたので、とても役立っています」
はやし皮フ科クリニックでは、こうした電子カルテ操作の効率化だけでなく、クリニック業務全体の効率性向上のため、周辺機器やサービスとの連携も整備しています。
その1つが医療機関向けPOSレジシステム(FULLHOUSE、メディコムエイド製)です。患者が会計時に、レセコンからPOSレジシステムに転送された会計情報に従い、自らバーコード診察券で認証して自動精算機で支払うセルフレジ型のシステムです。
勤務医時代の体験から、開業時に導入を決めていたという林先生。「終業時に釣り銭が合わず、確認のためだけに何時間も残業していました。医事スタッフがあまりに可哀想でしたので、システム化することで金銭授受に伴うミスをなくし、日報などスタッフの手間も削減できると期待して導入しました」。新型コロナ感染症拡大に伴い、患者も非接触を望むことが多くなったことも背景にあったと言います。
全スタッフの業務支援に欠かせないMedicom-HRシリーズ
電子カルテシステムをはじめとする一連のシステム導入の効果として林先生は、クリニック業務の効率化促進を第一に挙げます。診療業務の中で出来る限り時間を短縮したいのがカルテ入力作業。「診療中は患者さんを診ることに集中したいと考えてきたので、シュライバーの代理入力とMedicom-HRシリーズの入力支援機能によって、多くの患者さんに対してモットーとする診療ができていると思っています」と強調します。
同時に、看護師の処置業務におけるカルテ情報の共有、あるいはWeb予約サービスの活用やPOSレジシステムなどによる医事スタッフの業務においても効率化を実現できていると実感しています。「診療業務の効率化はもとより、スタッフの業務負担を削減し、効率的なクリニック運営を目指すには積極的にICTを導入し、デジタル化していこうと考えています」という姿勢です。
こうした導入効果を実感できるのも、システムのトラブルなく運用できていることだと指摘します。「電子カルテの機能や操作性は、人によって合う、合わないがあると思います。各社製品を試して自身に合うと思われる製品を選ぶこと。そして、安心して使えることが重要だと思います。そのためにメーカーや代理店のサポート力・体制をしっかり見極めることが大切ではないでしょうか」。電子カルテ導入を考えている方に対して、こうアドバイスしました。
はやし皮フ科クリニック
住所:兵庫県川辺郡猪名川町松尾台1-2-20 日生中央タンモトセンタービル1階
開業日:2020年12月1日
従業員数:常勤4人(看護師2人・医事職員2人)、非常勤11人
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