医療の品質向上につながるロジカルコミュニケーション
日頃の業務で自分の意見を求められる場面は多々ありますが、そのようなときに説得力をもって自分の主張を相手に伝えるというのは、思う以上に難しいものです。今回は業務におけるコミュニケーションの質を高める方法についてご紹介します。
医療現場で求められるコミュニケーションとは
クリニックや薬局での業務を運営していくにあたっては、さまざまなコミュニケーションが発生します。患者さんとのやりとりはもちろんですが、院内のスタッフとのコミュニケーションもまた大きな割合を占める重要なものです。ときには業務の改善提案など、複雑な内容を整理しながら、自分の意見を主張することを求められる場合もあるでしょう。話が飛躍したり破綻したりすることなく、相手にとって分かりやすく伝えることの難しさを痛感している方も多いのではないでしょうか。このようなときに、ロジカルコミュニケーションの力は大きな効果を発揮します。
ロジカルコミュニケーションとは
ロジカルコミュニケーションとは、ロジカルシンキング(論理的思考)を会話としてアウトプットする方法です。ロジカルシンキングとは、自分の意見・主張(「結論」)に対する「根拠」をそろえ、「結論」と「根拠」のあいだの論理的なつながりを筋道立てて説明する思考法のことを言います。複雑なものごとを理解するために、図を描いて整理しようとしたことはありませんか?ロジカルシンキングでも同様に、ピラミッド構造やフレームワーク思考といった手法が論理的な理解を助けてくれます。思考力を磨くため、このような手法を代表的なものから学んでいくことは非常に有効です。
コミュニケーション能力で仕事の質は上がる
「結論」と「根拠」を論理的なつながりに基づき整理したら、次にそれを会話としてアウトプットします。このときに重要なのは、結論を最初に話し、次に根拠を述べることです。「調剤オペレーションを早期に機械化すべきです。その理由は3つあり・・・・・・」と話しはじめると、相手には何が論点かがすぐに伝わります。また、根拠がいくつあるかを最初に示すのも、ぜひ取り入れたいテクニックです。会話の早い段階で相手に全体の枠組みを把握してもらうことにより、ぐっと理解度が高めることができます。
ロジカルコミュニケーションの大きなメリットは、事物を論理関係によって明確にすることにより、立場や価値観の異なる人のあいだにも共通の理解をもたらすことです。小さな認識のずれが積み重なり、大きなミスへとつながることもしばしばありますが、ロジカルコミュニケーションはこのような事態を未然に防ぎ、業務品質を向するうえでも大きな効果を発揮するのです。日頃の職場でのコミュニケーションにおいて論理的思考を意識することで、医療の品質向上を実現しましょう。