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医療機関様概要
藤原台にしむらクリニック
住所:兵庫県神戸市北区藤原台中町6-26-4
開業年月:2024年5月
診療科目:内科、外科、肛門外科、乳腺外科
Webサイト:https://fujiwaradai-nishimura-cl.com/
何歳までメスを握り続けるのか
西村先生は兵庫医科大学を卒業後、神戸大学医学部に入局。博士課程修了後、医局人事により兵庫県内の中核病院で勤務医として過ごしてきました。開業というキャリアは頭の隅にあったという西村先生ですが、チームとして外科業務に携わっていると、辞めた場合にカバーできる医師が入職しないと病院の手術環境を維持できなくなるため、何かのきっかけがないと開業には踏み切れないと指摘。外科医としていつまでメスを握るかはその人次第ですが、年齢を重ねると後進の指導が中心になります。
「50歳を超え視力も落ちてくるし、毎日の手術は体力的にも厳しく感じることもありましたね。また、腹腔鏡下手術も若い世代が育ってきている中で、次第に後進の指導も多くなってきました。2年程前、チームで一緒に手術を行ってきた上司が退職を控え、外科を引っ張っていって欲しいと言われ、いよいよ指導しながら勤務医を続けるのか開業するのか考えないといけない状況になり…」(西村先生)
とし、キャリアの分岐点に差し掛かっていたようです。
訪れたきっかけは上司医師の定年退職
外科医として実績を積んできた西村先生ですが、術後管理や外来診療で多くの患者さんの声に耳を傾ける中で、患者さんに接しながら寄り添って健康回復を支援することに医師として喜びを感じていたと言います。勤務医を続けるか、開業医への道を踏み出すか決めかねていたとき、消化器外科を引っ張っていってほしいと言われていた医師が2023年度末に退職を迎えました。「このタイミングしかない!」と西村先生は退職を申し出ました。
大学の教授には「消化器外科医として後進指導をしながら牽引していくことはできません。開業を考えています」(西村先生)。
これをきっかけに開業に向けた準備が始まりました。
閉院したクリニック物件で開業
西村先生が開業場所として選んだのは、神戸電鉄三田線の最寄り駅から徒歩約15分の起伏に富んだ住宅地域。六甲北ニュータウンの南部に位置し、広域的な立地条件を活かした職住近接の自立型都市を目指して開発された地区とされています。最後に勤務していた兵庫県西部の病院からは距離がある地区ですが、土地勘はありました。当初は勤務していた病院近くの兵庫県西部や大阪・茨木市も考えたようですが、自宅からの通勤を考え、開業コンサルタントから候補に挙げられた1つから選んだのが神戸市北区藤原台の物件でした。
駅前やメディカルビルではなく選んだのは1年半程前まで内科の開業医が診療していた住宅地の中の一戸建て物件。より地域密着型であり、隣には保険薬局が営業を続けており、開業に際して薬局チェーンとのタイアップ交渉などの必要もなかったことも決めた理由でした。
物件のリフォームにあたっては、別の内科クリニックに勤務している奥様がスタッフ動線などを最適化できるよう考えてくれました。
「クリニックのスタッフ動線などまったく理解していなかったので、非常に助かりました」(西村先生)。
看護師、事務職員の採用についても奥様からアドバイスを受け、採用されたスタッフの勤務表づくりから勤務に関する要望・希望、意見・気持ちなど様々な相談の窓口も担っているとし、「経営の表に出ることなく、影で支援してくれるので本当に有り難いですね」(西村先生)と感謝しています。
特徴の1つとして乳腺外科も掲げる
藤原台にしむらクリニックの標榜科目は、内科、外科、肛門外科の3科ですが、それに加えて乳腺超音波検査を行ってきた経験とマンモグラフィー読影認定医、ピンクリボンアドバイザーであるため、乳腺外科も診療案内に加えています。
消化器疾患全般を専門としてきた西村先生ですが、開業前には生活習慣病の治療にも携わった経験もあり、消化器症状に加え、生活習慣病の治療などの内科、外傷などの一般外科、痔や肛門周囲膿瘍などの肛門外科に対応しています。
「乳腺外科は、どれほどの需要があるか不明ですが、クリニックの特徴の1つになればと思い診療案内で紹介しています」(西村先生)。
診療は生活習慣病を中心とした内科などがメインとなるため、外科の実績をアピールしにくいことが悩みどころという西村先生。
「以前に開業して内科に通院していた患者さんが足を運んでくれることに期待はありますが、閉院後1年半が経っていますからね。ともかく地域の方々に当院を周知していただくことに努めています」(西村先生)
とし、住宅地域での看板の設置やタウン誌への出稿などPR活動にも積極的に取り組んでいます。