できるところから始める待ち時間対策
長い待ち時間は医療機関への不満を募らせる
患者が抱く医療機関への不満の中で常に上位を占めているもの、それが「長い待ち時間」です。クリニックを経営する側にしてみれば、「それだけその医院が繁盛しているという証拠じゃないか」と集患状況に満足してしまいそうですが、楽観視したまま対策をとらずにいると痛い目に合うことも。何しろ現代人は仕事にプライベートに日々忙しいもの。特定の医師にしか治療できないような難病の類いならともかく、軽微な症状であれば待ち時間の短いクリニックへとサッサと鞍替えしてしまうでしょう。取り逃がす可能性があるのは多忙な患者だけではありません。待合室での2次感染を怖れる人たちも、滞在時間の少なくてすむクリニックを選んで通うはず。それに、長い待ち時間を黙って過ごしてくれる患者ばかりではないのです。もしクレームが出ることになれば当然スタッフが対応せざるを得ないため、クリニックの生産性はどんどん落ちていってしまいます。
患者数の偏りを減らすためにできること
では、待ち時間を短くするにはどういう対策が考えられるでしょうか。先生がクリニックを開業した際には、確実ながら人件費が重くのしかかってくる「スタッフ増員」という手段をとる前に、まずこれからお伝えするいくつかの対策法を試してみることをお薦めします。
最近、多くの医療機関で採用されているのが、患者数の偏りを減らす(平準化する)ための工夫です。開院中ずっと大幅な待ち時間が発生している場合は別ですが、混雑している時とそうでない時の差が大きいクリニックにとってはとくに効果的。受付からのアナウンスや院内の掲示板などで空いている時間を知らせる方法もありますし、診察終了時に次回予約をするよう患者に促してみるのも良いでしょう。平準化をさらに推し進め効率を高めたいなら、診療予約システムを導入し、時間帯ごとに患者数を細かく調整することも可能です。
「待つ」という行為のストレスを軽減する手も
待ち時間を短くするばかりが対策ではありません。極端な話、待っている時間がいくら長くとも、患者が不満に思わなければ良いのです。そのための第一歩が「スタッフによる声かけ」です。一見単純に思えますが、これが意外に効果的。長い待ち時間にクレームをつける人の多くが「どれだけ待てばいいのか分からない」ことに腹を立てるといいます。彼らが激怒する前に、「すみません、あと○分ぐらいお待ちいただけますか?」「○○さんは○番目に診察予定です」などと伝えるようにするのです。スタッフの労力をあまり割けない場合は、銀行などでおなじみの順番表示システムを導入しても良いでしょう。
また退屈しのぎのため待合室にテレビや雑誌・漫画を置いておくというのは以前からポピュラーな手法でしたが、最近ではPCやスマートフォンを無料でWi-Fi接続できる無線LANスポットの提供をしているクリニックも。居心地よく過ごしてもらう工夫も、待ち時間対策の一つと心得ましょう。
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