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クリニック経営 医師 事務長 2024.09.17 公開

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「医局や勤務先との関係値は…」30代、開業医のリアル座談会Vol.5

変化と多様性の時代。医師の生き方・働き方も時代に合わせ、これまでとは異なる選択を求められるようになりました。「開業」を選んだ先生 は、いつ・何を考え・どう動いたのか?ライフプランとキャリアプラン、経営の悩みや戦略など、実際の先生3名に匿名でお集まりいただき、座談会形式で開業医のリアルに迫ります。前回は、「勤務先によって異なる、魅力と辛さ」に迫りました。今回は、「医局や勤務先との関係構築」についてお聞きします。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #開業地選定 #事業計画 #労務管理 #開業直後の悩み #マネジメント #30代、開業医のリアル #業務効率化

目次

<参加いただいた先生のプロフィール>

ぐちょぽい先生 眼科クリニック開業医。30代。専門は角膜感染症、ぶどう膜炎、神経系。
くるとん先生 内科クリニック開業医。30代。専門は消化器内科全般、肝臓内科。
KOTATSU先生 内科クリニックの開業準備中。30代。専門は糖尿病、内分泌内科。

※座談会は2024年3月に実施された内容です。各先生のお名前はハンドルネームです。

>前回はこちら!「勤務先によって異なる、魅力と辛さ」30代、開業医のリアル座談会 Vol.4

開業を見据えた医局との関係構築

――続いての質問なのですが、各先生は開業の際に、元々の勤務先の病院や、周辺との関係構築で意識した、あるいは現在もしていることはありますか。

ぐちょぽい先生:私は、関係構築は上手くできておらず…落下傘開業医のような形になりました。
幸い、周囲の病院には知り合いがいるので、患者の紹介などに関してはあまり困っていませんが、もともと私のことを知ってくれている患者さんがいないので、開業時当初の集患スピードは、どうしても遅くなってしまいました。

くるとん先生:私の所属していた医局は、教授がいい意味で距離が近い人だったため、皆結構オープンに開業の意思を伝えていましたね。

ぐちょぽい先生:教授に開業をオープンに伝えられる環境、いいですね。
私のいた医局では、開業を伝えるといい顔はされず…、開業がやりづらい状況になります。
そのため、ギリギリ県を越えたあたりの地域に開業する人も多いです(苦笑)。

KOTATSU先生:科にもよるかもしれませんね。元々の勤務先との関係値が影響するとしたら、ぐちょぽい先生がおっしゃるように、初速=つまり、固定の患者さんが増えるまでに時間がかかるという点でしょうね。閑古鳥がなくクリニックで、固定費のみが出ていく…という恐怖は想像したくないです。

――集患で初速をよくするには、もともとの勤務先から近いところにクリニックを構えた方が有利ということでしょうか。

KOTATSU先生:糖尿病内科に限らず、医局や勤務先から近いところにクリニックを開設する場合は、開業の時に患者さんを誘えたら一番良いですよね。おおっぴらには出来ませんが。ここの塩梅が難しく…医局や勤務先の病院が、患者が多く入院ももっている医師が多忙を極めているようなところなら、「開業してくれてありがとう!入院の時は頼ってね」と言ってもらえたりして、オープンに勧誘ができますが、そうでない場合は患者を奪う形になるので……その点はバランスです。

――勤務先の状況や、教授のタイプにもよるということですね。

KOTATSU先生:そうですね。立地が勤務先とあまり関係ないところなら、関係ないとは思いますが、医師の世界は意外と狭く…医師会等で開業の噂は流れます。そのため、科のスタイルにもよりますが、医局や勤務先との関係は、少しでも良好にしておいた方が無難だとは思います。医師会に入らない、勤務先から離れた場所で開業するなら話は別ですが。

開業時、勤務先から優秀な人材を引き抜くことができれば、頼りになる即戦力に。

――くるとん先生は、元々の勤務先からスーパーナースを引き抜かれたという話もありましたが、どういった経緯だったのでしょうか。

くるとん先生:承継する時に、旧クリニックの男性師長が退職することになり、代わりの男性看護師が必要になりました。
まずは知り合いから探そうとなった時に、当時自分が勤務していた病院で内視鏡室→救急にいた方を思い出しました。バリバリ働かれている方だったので、ダメ元で声を掛けた所、4人目のお子さんが産まれるため夜勤を控えたいと考えられていたタイミングだったこともあり、私のクリニックに入職していただきました。
看護師2名分くらいの仕事をこなせる方で、患者さんからの評判も良く、また私と女性スタッフとの架け橋にもなってくれるため、不可欠な存在です。
先日も空き時間に、検査のコストなどを自主的にまとめて提示してくれました(笑)。

――タイミング以外にも、くるとん先生のクリニック入職の後押しとなった理由はあるのでしょうか。

KOTATSU先生:私が答えるのもあれですが、くるとん先生は「THE 消化器内科」といえるくらい、物腰がやわらかく、パワハラとは正反対にいる先生なので、お人柄や元々の関係値もあると思います。
個人的な意見ですが、男性医師ってシャイな方が多いので、仲の良い同性の看護師を引き抜けるというのは、かなり良いなと思います。

くるとん先生:KOTATSU先生、お褒めの言葉ありがとうございます(笑)。彼は結構人気の看護師さんで、何人もの開業する先生から声は掛けられていたようです。
私の場合、彼と同い年ということもプラスに働いたと思います。しかし、元々仲良くはしていましたが、飲みに行ったりするほどではなかったので、やはりタイミングが大きいかと。

KOTATSU先生:優秀な看護師さんとのことですが、検査のコストを自主的にまとめてくれるというのは凄すぎますね。どう教育というか、業務を任せているのでしょうか。

くるとん先生:検査コストをまとめる業務などは、こちらからは全くお願いはしてないです。
コストを出したり、内視鏡の件数をまとめてくれたり、最近では、問診票の改訂まで自主的に行ってくれました。
とにかく仕事をバリバリするというのが信条の方なので、私のクリニックの、「クリニックでありながら、ややハイパーな環境」が合っているのかもしれません。

――数多のお誘いの中から決められたとなると、タイミング、年齢に加え先生のお人柄も関係していたのだろうと感じますね。続いては、「開業準備で大事なこと」についてお聞きしたいと思います。

シリーズ「30代、開業医のリアル」座談会の様子は、全8回(予定)に分けて配信いたします。
次回は、「開業準備で重要なこと」について迫ります。

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