ポイントを押さえた薬歴で服薬指導の品質を向上
患者さんが適切に、かつ安心して服薬できるようサポートすることを目指す服薬指導。そのよりどころとなる情報を提供するのが薬歴です。一目で要点を把握できる分かりやすい薬歴を書けるようになると、服薬指導の品質向上にもつながります。今回はより良い服薬指導の実現という観点から、薬歴のメリットや記入のポイントについてご紹介します。
充実した服薬指導に必要なこと
患者さんにお薬の服用方法や効果、副作用などについて説明を行う服薬指導。その大きな目的のひとつが、患者さん一人一人の状況に適した治療をサポートすることです。薬物治療においては、食生活や運動歴といった患者さんのライフスタイルが治療効果に影響を及ぼすことも珍しくありません。患者さんの状況によって、お伝えすべき注意事項やご提案できる解決策は異なります。適切な服薬指導を行うためには、多角的な視点で患者さんの情報を収集・整理することが欠かせません。こうした情報を記録することで、効果的かつ効率的な服薬指導の実現に役立つのが薬歴です。服薬指導に必要な情報を薬歴に網羅して記載しておくことで、同じ質問を何度も患者さんにしてしまうといったミスを防ぐこともできますし、患者さんの体調の変化などにも気付きやすくなります。
薬歴記入時の注意点
効果的・効率的な服薬指導に役立てるという観点で、薬歴を記入する際にはどのようなポイントに注意すればよいでしょうか。まず、初来局の患者さんの場合には、服薬指導の内容だけではなく、基礎情報や既往歴など多数の項目を記入する必要があります。患者さんのお話を伺いながらメモを取るなど、書き漏れのないように注意しましょう。また、初回は患者さんにアンケートを記入いただく薬局も多数ありますが、この内容も薬歴にしっかり反映することで、薬歴の情報を充実させましょう。再来の患者さんの場合は、前回来局時からの体調や服薬状況などの変化が特に重要です。ヒアリング内容をもとに要点を記入しておくことで、経時的な変化がすぐに分かるようにしておきましょう。
情報の網羅性は重要ですが、一方で冗長で読みづらい薬歴では必要な情報になかなかたどり着けず、貴重な服薬指導の時間をロスしてしまうことにもなりかねません。一目で内容を把握できるよう、箇条書きで端的に要点を押さえておくことも大切です。
薬歴の重要性
端的に分かりやすく作成された薬歴は、患者さんのこれまでの治療に関する情報を短時間で把握するのに役立ち、服薬指導を充実したものにしてくれます。また、他の薬剤師が患者さんを対応する場合にも情報を共有することができるため、薬局内で対応品質を一定に保つうえでも有効です。単にお薬の情報をお伝えするだけでなく、薬歴に基づき患者さんそれぞれの状況にあわせた服薬指導ができるようになれば、薬局・薬剤師への信頼も大幅に高まるでしょう。薬歴はメモ代わりにつけるだけでうまく活用できていなかった、という方も、服薬指導を充実させるという観点でもう一度書き方を見直してみてはいかがでしょうか。
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