いざ、電子カルテを買い替えようと思ったら、何をすれば良いのか
電子カルテの買い替えにおいても、新規に電子カルテを購入する際と同様に「手順」が存在します。正しい手順を踏まえないと、大きな落とし穴が発生するかもしれません。あらかじめ手順を知っておくことで、失敗のリスクは軽減されますので、今回は電子カルテの買い替えの進め方を考えてみましょう。
電子カルテの買い替えを考えようと思ったら、どんなことを想定して進めれば良いのでしょうか。現在、クリニックの電子カルテの普及は5割に近づき、電子カルテの買い替え事例も年々増えています。そのような状況が進むことで、買い替えのノウハウも年々蓄積されています。先人が苦労した部分を先に知っておくことで、スムーズな買い替えが進むことと考えられます。流れとしては、(1)現在の電子カルテの問題点を整理する(2)問題点を解決できそうな電子カルテを探す(3)電子カルテを比較検証する(4)電子カルテの移行方法を確認する(5)電子カルテの移行スケジュールを決める、となります。
1.現在の電子カルテの問題点を整理する
電子カルテの買い替えはしないで済むなら、そんな良いことはありません。できれば同じメーカーの電子カルテを長く使うことがおすすめです。しかしながら、やむを得ず電子カルテを買い替えることになったならば、次は買い替えなくて済むものを選びたいところです。そこで、現在の電子カルテの問題点を整理してください。問題点を整理する視点は、先に紹介した買い替え理由の上位から検討していくと良いでしょう。買い替え理由は、➀サポート体制➁価格③システム連携④操作性⑤機能の順となります。これらの項目ごとに、現在の電子カルテの不満点をまとめておくと良いでしょう。
2.問題点を解決できそうな電子カルテを探す
次に、問題点をまとめた表に基づき、新しい電子カルテメーカーを探します。例えば、サポートの不満が買い替え理由であれば、サポートの良いところを探すこととなります。訪問サポートをしてくれるか、診療報酬に関する質問に答えてくれるか、などサポートの手厚さを確認していきます。方法としては、➀ネットや業者から情報を集める➁メーカーに質問を通して確認する③実際に使用しているユーザーにヒアリングする、という方法が考えられます。販売実績の多いメーカーであれば、友人・知人の中に使用者も多いことでしょう。是非、実際の利用者の声をできるだけ集めてください。
3.電子カルテを比較検証する
もし、新しい電子カルテ候補が複数社となった場合は、両社を比較する「場」をしっかり設けてください。この場合も選定の指標は、「不満点をどれだけ改善できるか」です。この際に注意していただきたい点は、できるだけ同じ期間に候補の電子カルテを見ることです。時間や順番で印象はかなり異なりますので、期間を短く比較することは忘れないでください。
4.電子カルテの移行方法を確認する
電子カルテを買い替える際、過去の電子カルテをどのように引き継ぐかは重要な問題です。この方法については次項で詳しく解説します。移行レベルはメーカー間でかなり異なりますので方法・レベル(どこまで情報を移せるか)をしっかり確認してください。
5.電子カルテの移行スケジュールを決める
新しい電子カルテが決まり、過去の電子カルテの移行方法が確認できたならば、最後にいつから新しい電子カルテを使い始めるかを決定するために「スケジュール」を策定します。基本的に、いまの電子カルテはレセコンの機能と一対なので、切り替えのタイミングは、レセプトデータの関係で月の頭しかありません。レセプトが月ごと請求なので、月の途中から切り替えることはできないのです。
例えば、〇月1日に切り替えるというターゲットを決めたならば、それまでに何を進めておくかを決め、スケジュールに落としていきます。電子カルテの買い替えも、電子カルテ導入と同じく、セットの作成、操作研修などが新たに発生します。また、移行にあたってもどれくらいかかるかは確認してみないと分かりませんので、綿密なスケジュールを立てる必要があるのです。