閉院の理由(4)
本記事では『閉院の理由(3)』でご紹介した後継者問題に続き、第三者承継がなかなか進まない背景についてご紹介致します。
前記事でも記載したとおり親族に後継者候補がいない場合は「第三者承継」を検討することになりますが、 実際に第三者への承継を検討する際の問題として、周りの金融機関や士業の方々に相談できない、又は相談したとしても専門ではないため対応できず、なかなか話が進まないということが往々にしてあります。
実際に「地域に承継を考えている情報が洩れるリスクが不安」や「相談しても話が進まない」というお声を、お問い合わせ頂いた弊社のメディコムユーザー様からも多々お聞きします。
中小企業庁が平成28年に作成した資料『事業承継に関する現状と課題について』にある「事業者(業界問わず)と身近な支援機関との関係に関するヒアリングの結果」によると、 事業者と身近な支援機関のそれぞれに「相談できない・相談対応できない」などの事情があることがわかります。(表1を参照)
実際に、承継支援について対応している金融機関も企業によって異なりますのと、診療所規模の承継支援(M&A)については積極的に対応していない企業もあります。
また、表の通り士業についても、承継という専門知識を持っている方は少なく、承継を成功させるための要素として売手買手のマッチングがありますが、そういった部分までサポートしている企業は数多くないのが現状です。
表2は日医総研ワーキングペーパー『日本医師会 医業承継実態調査:医療機関経営者向け調査』の「承継について相談する相談先」の集計になりますが、院長が承継を考えた際に相談するのはやはり身近な人であるということがわかります。
ただし、表1のとおり税理士も対応できる方は偏在していたり、医師会についても承継の相談対応をしているところは地域によって様々でしたりと、周りの環境だけではなかなか承継が進まないというのが実情としてございます。
- なかなか身近な関係者に相談できない
- 相談しても承継の専門家ではないため話が先に進まない
では専門の業者に相談するのが、地域に情報が洩れる心配もなく、マッチングも含め様々サポートを受けられるため良いかと考えますが、 そもそも専門の業者があることがわからないでしたり、その発想に至るキッカケがないなどの問題があります。
弊社ではメディコムユーザー様向けに承継支援のご案内を配布しておりますが、それを見てようやく相談できたという方がやはり多いです。
次の記事『閉院の理由(5)』では、我々のような支援機関側の問題になりますが、 本記事でご紹介した承継がなかなか進まない実情に対して、支援機関が医療機関に対してアピール(考えるキッカケ、相談先としてのご案内)がしきれていない点について、同じく実際のアンケート結果を元にご紹介したいと思います。
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