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承継 薬剤師 薬局経営者 2021.04.09 公開

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M&Aによる調剤薬局事業譲渡の進め方

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討

M&Aによる調剤薬局事業譲渡の進め方

 今回は、M&Aによる事業譲受で薬局を開業する場合の具体的な流れについて解説していきます。

案件内容を見るために必要な秘密保持契約を結ぶ

 M&Aによって薬局を事業譲受し開業を目指す場合、まずは「案件」と呼ばれている売りに出ている薬局を探すことになります。紹介元については、M&A仲介を行う大手企業から中小企業、個人レベルで動いているエージェントまで様々です。そのような方達が、オーナーからヒアリングを行い、その薬局情報をまとめています。情報開示をしてもらうためには「秘密保持契約」を結ぶ必要があります。基本的には、情報を管理している仲介業者から求められます。

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スケジュールや譲渡条件の大枠についての基本合意契約を行う

 M&Aのスケジュールや譲渡金額の大枠が決まったら、まずは「基本合意契約」を交わす事が多いです。この契約を交わすことで、より良い譲受条件でオーナーへ交渉を持ちかける人が現れた場合などの対応方法について合意をすることができます。最終契約の前に、基本合意契約を結ばずに交渉を進めてしまうと、トラブルを生む可能性があるため必ず仲介業者に確認することをおすすめします。

契約前のデューデリジェンス(買収監査)を行う

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 デューデリジェンスとは買収監査のことを言います。買収監査とは、譲渡元に関するより詳しい調査です。調査する内容はビジネス面、財務面、法務面、労務面、税務面、IT面など多岐にわたります。基本的に、譲渡元や仲介業者から提示される内容については、契約を成立させたいバイアスがかかってしまう傾向があります。後悔のない事業譲受とするためにも、自分自身で一つ一つ情報を精査していきましょう。

最終譲渡契約書を締結してから様々な動きができる

 デューデリジェンスが終わり、譲受企業、譲渡企業ともに最終的な合意に至ると、「最終譲渡契約書」を締結します。これによりM&Aの契約そのものは完結します。この最終譲渡契約の締結後、銀行などの金融機関からの融資を進められます。融資を受ける場合、法人であることが求められる事が多いため、契約日に向けて法人設立などのスケジュールを立てていくとスムーズです。またM&A用語でよく「クロージング」という言葉が出て来ます。M&Aにおける「クロージング」とはM&Aでの経営権の移転を完了させる最終的な手続きのことを言います。具体的には、事業譲渡対価の支払いなどを行うことを指します。

開業に向けて動き出す具体的な内容

 最終的な契約を交わしたら、開業までの短い期間にやるべき事が山積です。特に、厚生局や保健所での手続きは漏れなく行うため早めに管轄担当者へ相談を行いましょう。

  • ◆処方元クリニックや医院への挨拶
  • ◆店舗の賃貸借契約再締結
  • ◆従業員を引き継ぐ場合は挨拶と雇用契約締結
  • ◆従業員を引き継がない場合は求人を出す
  • ◆法人として運営する場合は法人設立申請
  • ◆金融機関への融資申し込み
  • ◆保健所への新規開設許可申請
  • ◆厚生局での保険薬局の手続き
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 事業譲渡の場合、諸手続きが「遡及」という形が適用になる場合が多いです。医療機関として営業できない期間を作らないための制度です。新規開局の場合、数ヶ月前からの諸手続きが必要となりますが、営業中の薬局を譲受する場合は難しい。そのため、引き継ぎ開業後に、開業日に遡って申請を行うことができる仕組みです。適用になるかどうか含め、早めに管轄する厚生局担当者へ問い合わせをしましょう。

 以上が、M&Aにより調剤薬局を事業譲受した場合の具体的な流れとなります。M&Aは契約に際して関わる人が多くいるため、想定したスケジュール通りにいかないことも多いです。ある程度、前後することを想定した上で段取りを考えていきましょう。

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