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承継 医師 2020.08.05 公開

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クリニックを継承する場合の留意点

昨今では開業医の間でも少子高齢化が進み、後継者問題を抱えているクリニックが増加傾向。リスク少なく開業したい医師と、後継ぎが欲しい医師が増えているのなら、継承開業は両者のニーズを叶えるのに最適な開業スタイルと言えるのではないでしょうか。今回は、継承開業を選択した場合の、留意すべき点を解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#マネジメント #労務管理

クリニックを継承する場合の留意点

現代社会のニーズに沿った継承開業というスタイル

「いつかは開業医として自分のクリニックを!」と夢見る先生にとって、「開業」とはすなわち「新規開業」を意味することが多いことと思います。しかし、新しいクリニックを立ち上げるばかりが独立の手段ではありません。既存のクリニックを譲り受ける「継承開業」についても、その候補の一つとしてお考えになってみてはいかがでしょうか。たしかに、まっさらな状態からスタートを切る新規開業は、第二の人生の船出として魅力的かもしれません。しかし継承開業には初期投資が少なく済んだり、早期の経営安定化が見込めたりと、メリットが数多く存在します。昨今では開業医の間でもご多分に漏れず少子高齢化が進み、後継者問題を抱えているクリニックが増加傾向。リスク少なく開業したい医師と、後継ぎが欲しい医師が増えているのなら、継承開業は両者のニーズを叶えるのに最適な開業スタイルと言えるのではないでしょうか。ただし継承開業を選択した場合、留意すべき点がいくつかあります。これらをないがしろにしたまま開業に踏み切ると、せっかくの継承のメリットが台無しになるどころか、逆に経営の足かせにもなりかねないという重要なポイントです。

クリニックを継承する場合の留意点

前クリニックの“財産”を活かすために

クリニックを継承する場合の留意点

第一に、患者離れの対策をすること。ゼロから集患する必要のないのが継承開業のメリットですが、必ず一定数の患者は院長の交代を機にクリニックを離れていってしまいます。これを最小限に抑える工夫をしなければ、「先生が代わってから落ち目になったクリニック」との印象を免れません。できれば前院長と2人で診察する引き継ぎ期間を設けるなどして、「肝いりの後継者」としてのイメージを患者に植え付けるようにしておきましょう。
次に、既存スタッフとは良い関係を築くこと。新規採用のコストも時間も削減できるため、継承時にはスタッフごと引き受けるケースが多分に考えられます。しかしその際、新しい院長との方針の違いや相性の悪さから関係がギクシャクしてしまうことも。前クリニックで活躍していたスタッフはその地域や患者に詳しく、新しいクリニックでも即戦力となり得ます。開業医にとって大切な経営資源と捉えるなら、コミュニケーションを密に取り合いクリニックの理念や理想を共有しておく必要があるでしょう。

継承予定のクリニックに問題がないか確認

施設や設備、設置されている医療機器が、老朽化あるいは陳腐化していないか確認するのも大切なポイントです。使えるものは使うことで初期投資を抑えられるのが継承開業の良いところですが、新しい環境に必要な性能・機能を満たしていなければ改修や買い替えは避けられません。とくに古い施設を継承する場合は、患者のプライバシーが保てないようなつくりであったり、バリアフリーに対応していないことがあるため注意しておきましょう。また、継承を希望するクリニックの廃業理由は必ず確認するようにして下さい。近所に大病院ができ深刻な経営難に陥っていたり、患者やスタッフ、地域との間にトラブルを抱えていたりと、継承後に影響を与えそうな問題が潜んでいないとも限りません。
原則として、親子間以外での継承開業は、売り手と買い手がマッチングしなければ成立しません。そのため、うまくまとまるまでに思わぬ時間がかかることもしばしば。余裕を持ったスケジューリングが必要であることも、最後に付け加えておきます。

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