真の事業承継とは
財産を譲るだけではない承継
医療にながく携わり、地域医療に貢献してきた先生方の「真の事業承継」とは、いったい、どのようなことをいうのでしようか。
単にリタイアするのではなく、また診療所を譲渡して、医療から離れてしまうのでもなく、地域医療にそれ以降もなんらかのかたちで関わりつつ、地域住民に親しまれ、尊敬される第二の活動をスタートすることを真の事業承継といっています。
「真の事業承継」とは、財産を譲ることだけをいうのではありません。
診療所で行っている医療活動を委譲すること、
患者をあるべきかたちで引き継ぐこと。
医師として、それまで培ってきた知恵とノウハウを活かし地域住民の精神的基軸として心に残ること、
そして地域に溶け込む存在になること
が「真の事業承継」であると我々は考えているのです。
医師として地域住民の心に残る
地域のリーダーとしてあり続けた先生は、例え診療所の経営から離れたとしても、医師として存在し続けることを社会から求められています。地域社会のニーズに応えるために医師は「真の事業承継」を行う必要があるのです。
準備を怠ったために、また方法を間違えたために事業承継がうまくできなかった医師がいます。また完全に疲弊し診察する患者を減らしながら閉院し、跡形もなく診療所がなくなってしまった例もあります。その地で行った医療のかけらも残さずフェイドアウトしていく。これもまた美しくもありますが、本当にそれで良いのでしょうか。
廃院に向けて患者を減らしていく、そんなぎりぎりまで診療所経営を行うのではなく、比較的盛況なときに準備を開始し、望むかたちで診療所から手離れし、しかし、医師として行うことを求められている次の活動にスムーズに移行する。
そんな承継ができれば、患者にとっても医療の灯を消さずにすむし、また医師にとっても次のステージに無理なく進むことができるのではないでしょうか。結局のところ、我々は院長や地域社会が本当に望んでいる、皆が医師を大切にし医療を守っていく事業承継をが「真の事業承継」だと理解しています。
後悔することのない「真の事業承継」を行うための考え方や手法を考え、事前の準備を行いながら承継を成功させなければなりません。
我々の長年の経験や体験のなかで、先達が行ってきたうまい事業承継をとりまとめ、医師としてのプライドを永遠に守りつつ、事業承継を円滑かつ効果的に進めることができれば、それは院長のみならず、継承を受けた医師にも、そして何よりも地域住民、社会にとって有益です。事業承継は何かを譲ることだけではないこと
- 親族への事業承継と第三者への事業承継
- 第二の人生のための事業承継
- 真の事業承継の手順
- 家族とのコミュニケーション
- 診療所を離れたのちの地域での活動
についての検討が必要です。
事業承継を、先生にとっても、そして地域にとっても望ましいかたちで進め院長の望む事業承継をしていくために上記について十分に議論しなければなりません。
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