2022年11月16日、PHCグループは、中期経営計画「Value Creation Plan FY2022-2025」を発表しました。我々は以下に示す3つの成長領域において、バリューベース・ヘルスケアへ貢献することで、さらなる成長を目指します。
基盤事業と成長事業の定義
- PHCグループは、成長戦略を明確にするにあたり、事業を基盤領域と成長領域に区分しました。それぞれの定義は以下のとおりです。
- 基盤領域堅実な市場成長率の中、中核技術やアセットがあり、収益の柱となる事業
- 成長領域技術やアセットを拡大しながら、基盤領域の周辺にある製品・サービスや顧客層の拡大と高い市場成長率を取り込む事業
- 成長領域を伸ばすにはPHCグループの各事業が持つ強みをフルに活用する必要があります。現在は3つの事業セグメントがあり、それぞれの延長上に成長領域がありますが、それぞれの境界は基盤領域ほど明確ではなくなり、事業間シナジーを追求しながら成長領域の拡大を実現していきます。現在のセグメントにおける基盤領域と成長領域は下表のようなイメージです。
基盤・成長領域の戦略
- 基盤領域では、それぞれの製品および国・地域における市場の動向を注視しながら戦略を策定しています。成長領域では、これまでにないソリューションを新しい技術・サービスで提供するため、事業間のシナジーを最大限活用します。詳細は各事業のページでご紹介します。
- 中期経営計画公表以降、特に成長領域において以下のような取り組みが進捗しています。
- 創薬支援事業(治験等の創薬支援ソリューション)
2023年11月1日にメディフォードが設立され、非臨床事業と治験事業の知見と技術の融合を推進しています。イメージング質量分析法やPDXモデルによる抗がん薬試験などの技術が進化し、新規医薬品・治療法に求められる分析・評価技術が強化されます。さらに、海外製薬企業の日本での治験検査や国際共同治験にも積極的に取り組む予定です。
- 新領域への挑戦(細胞・遺伝子治療領域)
PHCグループは、大きな市場の伸びが見込まれる細胞・遺伝子治療の領域にも注力して取り組んでいます。細胞培養において、従来の手作業による間欠的な代謝物測定では細胞の状態を常に把握することは困難でしたが、PHCが開発したライブセル代謝分析装置LiCellMoは、血糖値測定技術を応用して細胞代謝物を連続測定し、リアルタイムで細胞の状態を可視化します。この技術により、新たな知見が得られ、治療用細胞の安定した製造に貢献することが期待されています。
グループ内の事業再編と事業セグメント変更
中期経営計画で定義した成長領域の強化を目的としてグループ内の事業再編と事業セグメントの変更を実施いたしました。
2023年11月には、シナジーのさらなる実現、重点領域への集中的かつ効率的な資源配分を目的に、LSIメディエンスの診断薬・機器事業とPHC IVDの事業を統合しました。また、LSIメディエンスの子会社であった株式会社LSIM安全科学研究所をPHCホールディングスの子会社とし、戦略決定と実行を迅速化、成長をより一層加速させていく体制といたしました。
また、2024年4月には、診断薬事業部を診断・ライフサイエンス事業に移管いたしました。事業再編を踏まえた最適な事業セグメント体制にすることで、効率的な事業運営とともに事業部間のシナジーを加速させてまいります。